日本皮膚科学会雑誌
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皮膚科セミナリウム 第13回 膠原病(2)
成人Still病
永井 弥生
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2006 年 116 巻 4 号 p. 429-436

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抄録

成人Still病は不明熱の原因疾患として重要である.近年,本症では高サイトカイン血症を呈することが報告され,これが本症の病態に関与していると考えられている.発熱,皮疹,関節症状を3主徴とし,白血球増多,肝機能障害,CRP高値,フェリチン著増などの異常検査値を呈するが,特異的所見に乏しいためにしばしば診断に苦慮する.定型的皮疹は重要であるが,実際は様々な非定型皮疹がみられる.予後は一般に良好だが,ときに重症化し,また慢性関節炎による機能障害を起こしうる.これまでの多数の臨床報告より,現在では基本的治療方針は確立されたといえる.

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© 2006 日本皮膚科学会
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