日本皮膚科学会雑誌
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原著
全身性強皮症合併間質性肺炎に対するシクロホスファミドパルス療法後の維持療法としてミゾリビンを用いた2例
吉崎 歩穐山 雄一郎簗場 広一小川 麻子室井 栄治小川 文秀佐藤 伸一
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2010 年 120 巻 8 号 p. 1659-1664

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抄録

近年,全身性強皮症(systemic sclerosis;SSc)に合併した活動性のある間質性肺炎に対して,少量ステロイド内服に併用したシクロホスファミドパルス療法が有効かつ有害事象発現の少ない治療として注目を集めている.しかしながら,シクロホスファミドパルス療法後に維持療法を行わない場合では,その効果は治療開始後24カ月間で失われてしまうため,維持療法が必要とされる.今回,我々はSSc合併間質性肺炎の2症例において,ミゾリビン150 mgの1日単回内服投与をシクロホスファミドパルス療法後の維持療法として用いた.この2症例において経過中,間質性肺炎のさらなる改善を認め,ミゾリビンによる有害事象の発現は認められなかった.ミゾリビン150 mgの1日単回内服投与は,SSc合併間質性肺炎に対するシクロホスファミドパルス療法後の維持療法として有用であることが示唆された.

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© 2010 日本皮膚科学会
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