抄録
症例1)72歳,男性.乳房外Paget癌(外陰部)にて,全身麻酔下皮膚悪性腫瘍切除術および植皮術施行.1週間後,右胸部痛が出現したためCT施行したところ,右肺動脈血栓を認めた.抗凝固療法を開始し,一時的下大静脈フィルターを留置した.症例2)82歳,男性.全身熱傷(50%)にて当科入院.左大腿静脈よりカテーテル留置中,6週間後のCTで左外腸骨静脈に血栓を認めた.出血性直腸潰瘍併発のため,すぐに抗凝固療法を開始できず,12週間後のCTで下大静脈に血栓を認めた.症例3)85歳,女性.尋常性天疱瘡の加療のため当科入院.ステロイドによる原疾患コントロール中にDICを併発し,右大腿静脈よりカテーテルを留置したところ,5週間後のCTで右外腸骨静脈に血栓を認めた.抗凝固療法を開始し,さらに恒久的下大静脈フィルターを留置した.近年,長時間手術の増加,および高齢化に伴う高リスク患者の増加があり,皮膚疾患治療中の合併症としての肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症は,常に念頭におくべきである.