抄録
2006年から2012年までの6年間に札幌医大病院皮膚科で病理組織学的に日光角化症と診断された80病変のうち,液体窒素凍結療法で治療した30病変とイミキモド外用療法で治療した19病変について,各治療群の臨床および病理組織学的特徴と治療効果を解析した.各治療群の平均年齢,臨床型,病理組織型,平均治療期間に差はなかった.凍結療法群30病変のうち,25病変が著効(完全消失),5病変が無効または再発であったが,イミキモド外用療法群では19病変全例が著効であった.両治療群における表皮肥厚,表皮角化細胞の異型度,付属器浸潤,solar elastosis gradeなど各病理組織学的項目と治療効果との関係について考察を加えた.