2017 年 127 巻 6 号 p. 1309-1313
ステロイドは,強力な臨床的効果を有する薬剤であるが,さまざまな副作用も知られており,両刃の剣でもある.ここではステロイドの全身投与法を再考し,皮膚科医として必要な7つの心得について述べた.1.ステロイドは究極の対症療法薬である.2.常用量の概念が通用しない特殊な薬剤である.3.適応と使用法には厳密なエビデンスはないがコンセンサスがあり,それに基づいた使用法が求められる.4.初期量・使用期間・減量方法を予め定めて開始する.5.免疫疾患では維持量の見極めが大切である.6.副作用の予防と対策に細心の注意を払う.7.ステロイドと抗ヒスタミン薬の合剤を漫然と処方し続けない.