2017 年 127 巻 6 号 p. 1315-1319
膠原病のような慢性炎症性疾患のほとんどすべてにおいて副腎皮質ステロイド(ステロイド)の適応があり,ステロイドを第一選択薬とする疾患が多い.しかしステロイドは急性期の病態・症状を改善するが,疾患を治癒させるものではない.ステロイドの投与量は疾患,障害臓器,重症度などに応じて異なり,その病態を抑えうる必要かつ十分な量を用いる.活動性が高い時期にはステロイドを増量し,活動性が低下すれば漸減して維持量に近づける.ステロイドの使用に当たっては,その副作用に習熟し常に注意を払う必要がある.