2017 年 127 巻 6 号 p. 1323-1330
強皮症腎クリーゼ(scleroderma renal crisis:SRC)の12症例を対象に前駆症状について後ろ向きに検討した.前駆症状は,全身倦怠が9例(75%),微熱が3例(25%),筋肉痛が5例(42%),頭痛が2例(17%)にみられた.検査所見では血中ヘモグロビン値低下が2例(17%),血小板数低下が5例(42%),血清クレアチニン値上昇が6例(50%)にみられた.このような前駆症状は血栓性微小血管障害様病態を伴っている症例に高頻度にみられた.