日本皮膚科学会雑誌
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症例報告
膵グルカゴノーマに伴う壊死性遊走性紅斑:類縁疾患を含めて“栄養障害性紅斑症erythema dystrophica”と包括することを再度強調した
桐山 徳子原田 和俊斎藤 万寿吉佐野 隆友藤城 幹山坂本 康成坪井 良治
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2017 年 127 巻 6 号 p. 1331-1337

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抄録

61歳男性.初診6カ月前から陰部,下腿にびらん,痂皮,紅斑が出現し,顔面や両大腿に拡大した.紅斑部の組織では表皮角化細胞に空砲化とランゲルハンス細胞の減少を認めた.血液中の総アミノ酸量と血清亜鉛の低下,血中グルカゴンの著明な上昇,腹部CTで膵尾部結節影と肝多発腫瘤影を認め,肝生検によりグルカゴノーマと診断した.点滴によるアミノ酸補正により紅斑は著明に改善した.壊死性遊走性紅斑の呼称について考察し,栄養障害による類似皮疹を統合して栄養障害性紅斑症と呼ぶことを改めて強調した.

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© 2017 日本皮膚科学会
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