日本皮膚科学会雑誌
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症例報告
多発皮膚潰瘍を呈し難治性壊疽性膿皮症として治療されていた播種性皮膚リーシュマニア症の1例
小林 由季伏間江 貴之和田 麻依新川 紗由香三條場 千寿後藤 康之大内 健嗣舩越 建
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2024 年 134 巻 2 号 p. 321-328

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抄録

54歳男.海外渡航歴多数あり.初診3年前に左肘潰瘍を生じ,他の部位にも拡大.他院にて非結核性抗酸菌症,その後壊疽性膿皮症と診断され治療を受けたが難治であった.顔面・体幹に多発皮膚潰瘍あり,病理組織学的に稠密な炎症細胞浸潤と壊死像,キネトプラストを有する虫体をみとめた.PCRで原虫種を同定し,播種性皮膚リーシュマニア症と診断.ステロイド中止,リポゾーム化アムホテリシンB,イトラコナゾール投与後,皮膚病変は瘢痕治癒.海外渡航歴や臨床経過より本疾患を鑑別にあげ,積極的に精査したことにより診断に至った.

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