2025 年 135 巻 2 号 p. 287-295
76歳と72歳の女性の下肢に生じた魚鱗癬型サルコイドーシスの2例を報告した.どちらも生検組織像は軽度の角質増生と表皮顆粒層の菲薄化,真皮内に類上皮細胞肉芽腫を認めた.症例1では他のタイプの特異疹はみられなかったが症例2では皮下型サルコイドーシスがみられた.症例1は肺と眼,症例2は肺病変を伴っていた.魚鱗癬型サルコイドーシスの国内外の報告例を集計し比較したところ,女性の下肢に多い点は共通していたが,海外では頭部にも症状がみられることや,本邦例では眼病変の割合が高いといった違いが認められた.