日本皮膚科学会雑誌
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病原糸状菌の電子顕微鏡学的観察
占部 治邦中野 進
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1959 年 69 巻 11 号 p. 1676-

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抄録

糸狁菌の光学顯微鏡(以下光顯と略す)による観察はすでにあらゆる方面から充分になされているが,それにより観察しうる範囲にはおのずから限度があり,よりすすんだ観察をおこなうためには電子顯微鏡(以下電顯と略す)を利用する必要がある.しかし現在なお電顯による糸狁菌の研究はほとんどおこなわれておらず,その標本作成にあたつての各條件も一定した結果が発表されていない.われわれは1部の糸狁菌について種々の條件で標本を作成し,もつとも適当と思われる條件で観察をおこない,ある程度の知見をえたので報告する.われわれのこころみた標本作成方法は完全なものではもちろんなく,この点今後一層の改良を必要とする問題である.なお今囘は糸狁菌に関する問題を総括的にのべ,菌体構成の各要素の性狁,菌増殖時の形態的変化その他の各論的問題に関しては別の機会に報告の予定である.

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© 1959 日本皮膚科学会
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