日本皮膚科学会雑誌
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角質内白癬菌に関する研究 第1篇 白癬菌の皮膚角質侵入に関する実験
榊 明敏
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1960 年 70 巻 2 号 p. 239-

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抄録
白癬症は白癬菌が皮膚その他の部位に侵襲してそこに病変をおこすのであるが,白癬菌については菌学的に,特に形態学的,生物学的に多くの研究がなされ,最近では津田,安部により單胞子分離培養が行われて1胞子の性質がin vitroに詳しく観察されている.一方生体の変化は皮膚病変が動物接種実験を主として,その接種病巣の病理組織学的所見は安藤,武者,Hanawa,Saevusにより報告されている.組織学的には人皮膚,動物皮膚内に於ける白癬菌は大部分最外層の角質層に存在し,一部顆粒層に限局して生棲し,以余の表皮有棘層,基底層,真皮の変化はすべて角質内侵入菌の増殖,反應に基く.しかるに菌を接種した皮膚を切除すると,即ち死ん
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© 1960 日本皮膚科学会
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