日本皮膚科学会雑誌
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70 巻 , 2 号
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  • 菅原 光雄
    1960 年 70 巻 2 号 p. 167-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    1938年Sebrell,ButlerがはじめてビタミンB2(B2と略記する)欠乏の人体実験を行い,初発変化がしばしば,皮膚或いは粘膜に現われることを証して以来,皮膚疾患とB2との関係は諸家の注目する所となつた.勿論人体に於けるB2欠乏症即ちSebrellの謂うariboflavinosisに於て見られる各種の皮膚症状,例えば,脂漏性皮膚炎,痤瘡様発疹,落屑性変化,口角炎,口唇炎等はB2欠乏に特有とは限らず,健康と見做される対象でもしばしば,潜在性のB2欠乏の存在することが指摘されている.又,上記皮膚症状を有するものが,之を欠くものより血液B2量の低いことも既に明かにされているが,一般にB2単独の欠乏症は稀れとされており,所謂polyavitaminosis乃至B2 complex deficiency stateの概念で説明される場合が多い.特に津軽地方の自然発生的B3欠乏症として知られている所謂シビ・ガツチャキ症候群(シ・ガ症と略記する)に於てこの状態が著明とされている).一方,B2欠乏症を臨床的に論ずるに当つては食餌性,外因性の欠乏症よりもむしろ,体内に於ける利用障碍乃至活性型への転換障碍に基く内因性欠乏症が問題となり,肝,腎機能,自律神経,内分泌系等との関係が重視されている.現今,皮膚科領域に於けるB2の研究は必ずしも少しとしないが,B2欠乏と他種ビタミンとの相互関係に対する吟味が十分行われているとは未だ云い難い.よつて,余は今回主として血液各型B2量の測定を行うと共に一部症例に於ては尿総或いは血液ニコチン酸及びビタミンCの同時測定を行い,B2代謝の面より皮膚疾患の再検討を試み,併せて血液B2量の消長と2,3臨床検査成績,治療経過との関係を追及する機会があつたので,その成績について茲に報告する.
  • 菅原 光雄
    1960 年 70 巻 2 号 p. 181-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    Ellinger(1946)がペニシリン投与による口内炎発生例を観察して以来,サルファ剤,各種抗生物質の長期間使用に因るB2欠乏乃至類似症状或いは血液B2量低下等に関する諸家の報告も極めて多数に上り,B2欠乏と化学療法剤,抗生物質との関係は甚だ注目されている.余は先に第1篇で各種皮膚疾患の血液各型B2量の測定を行うと共に,2,3臨床検査事項或いは治療効果とB2欠乏状態との関係について些か吟味を行つたが,B2欠乏症の診断上,B2負荷試験の重要な事は言を俟たない.よつて,今回は2,3皮膚疾患について負荷試験を行うと共に,皮膚科領域に於て常用されている抗生物質をはじめとする諸種治療剤の投与或いは紫外線照射前後に於ける血液及び尿B2量の消長につき検討を試みた.
  • 後藤 尚文
    1960 年 70 巻 2 号 p. 195-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    さきに小瀬川は当教室における膿皮症の臨床細菌学的研究の一端を記載して,現在膿皮症の主たる原因菌が強毒性のcoagulase陽性の黄色ブドウ球菌にして,その起源は,上気道あるいは健康皮膚の細菌叢からautogenousに由来せるものと推定される事を明らかにした.その後私は,英國のStaphylococcus Reference Laboratoryより送られた20種のphageとそのpropagating strain(増殖株)とを予研,福見博士の御厚意につて入手したので,当岩手医科大学皮膚科外来を訪れた各種の膿皮症患者から分離したcoagulase陽性の黄色ブドウ球菌についてphage型別(phagetyping)を試みた.したがつて,本論文においては,主として,1)分離菌株のphage型別,2)phage型別と黄色ブドウ球菌の生物学的諸性状との関係,および3)症例別の分離菌株のphage型別の結果より,その病原菌の起源について疫学的調査を行つた結果の3点について報告する.ここに,本邦皮膚科文献を照覧するのに,黄色ブドウ球菌のphage型別に言及するものは,当教室の業績を除けば,僅かに野波他,および山本の報告を認めたに過ぎなかつた.ゆえに私は本論にはいるに先立つて,黄色ブドウ球菌のphage型別の発展の過程を囘顧することもまた意義ありと考える.現在,黄色ブドウ球菌は凝集反應による血清学的型別とphage型別との2つの方法につて分類されている.凝集反應による血清学的分類は,Julianelleによつて創始され,3型に分類されていたが,その後Cowan,Christie & Krogh,Hobbs等による追試研究によつて更に数亞型が加えられ,Oedingにより完成を見るに至つた.最近,Blair & Carrはphage型別と凝集反應による型別との間に関連性を認め,Pillet,Calmels,Orta & ChabanierおよびOeding & Vogelsangは凝集反應による型別とphage型別とを比較檢討し,Pillet et al.は凝集反應で88.6%,phage型別では83.5%が型別可能であるといい,Oeding & Vogelsangもまた凝集反應がphage型別よりも信頼度が高いことを報告している.ひるがえつて黄色ブドウ球菌のphage型別については,Burnet & Lushが2,3の黄色ブドウ球菌の菌株がphageによる感受性によつて分類可能なることを報告せるをもつて臨床的研究の最初としている.次いでWilliams & TimmonsはBurnet & Lushの分離せる4種のphageを使用して骨髄炎より得た黄色ブドウ球菌を6型に分類したが,黄色ブドウ球菌のphage型別に一應の体系化を與えたのはFiskであり,溶原性(lysogenic)黄色ブドウ球菌よりphageを増殖する方法もまた彼によつて始めて記載された.Wilson & AtiknsonはFiskの檢索法に更に改良を加えて,Craigie et al.によりチフス菌のphage型別に使用して成功せるRTD(routine test dilution)による檢査法を始めて黄色ブドウ球菌のphage型別に対して導入した.Fiskの増殖法及びWilson & AtkinsonのRTDによる檢査法の確定はいずれも顯著なる業績にして,今日のphage型別による各種の業績は彼等の研究の成果によるところ多大である.以後,英國においてはPublic Health Laboratory ServiceにおけるAllison,Hobbs & Martinの業續に始まり,Williams & Rippon,Williams,Rippon & Dousett,佛國においてはWahl & Lapeyre-Mesignac,Wahl & Fouace,濠洲においてはRountree,米國においてはBlair & Carr,Jackson,Do-
  • 徳田 安章
    1960 年 70 巻 2 号 p. 218-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    著者等はさきに「表在性膿皮症の抗生物質軟膏療法の基礎的研究」として,現在市販に供されている凡てを含む13種類の抗生物質の各種軟膏について種々の観点から検討を施した.抗生物質軟膏療法を論ずるにあたり,著者等は次のごとき諸問題を解決しなければならないと思惟するものである.即ち1)当該抗生物質のin vitroの抗菌力 2)原因菌の感受性 3)軟膏貼用局所皮膚の抗生物質濃度 4)軟膏中抗生物質の力價の持続性 5)軟膏からの抗生物質の遊離度 6)軟膏中の抗生物質の協力作用 7)抗生物質軟膏の肉芽形成に対する影響 8)刺戟又は感作による接触性皮膚炎等アレルギーの発生頻度等である.かくてその大部分の抗生物質軟膏については以上の諸條件を詳細に檢討し,その結果はすでに報告したが,國産のGramicidin-J(GRMN-Jと略称する)のみは水に極めて難溶性であり,且つcyclic hexapeptideの高分子構造をなすため定量が困難となり,経皮滲透量を測定し得る定量法を当時は見出し得なかつたので併せ論ずることが出来なかつた.今囘,著者はその補遺としてGRMN-Jの定量法並びに種々の軟膏基剤に配合した時のGRMN-Jの経皮滲透量を測定し若干の知見を得たので報告する.
  • 榊 明敏
    1960 年 70 巻 2 号 p. 239-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    白癬症は白癬菌が皮膚その他の部位に侵襲してそこに病変をおこすのであるが,白癬菌については菌学的に,特に形態学的,生物学的に多くの研究がなされ,最近では津田,安部により單胞子分離培養が行われて1胞子の性質がin vitroに詳しく観察されている.一方生体の変化は皮膚病変が動物接種実験を主として,その接種病巣の病理組織学的所見は安藤,武者,Hanawa,Saevusにより報告されている.組織学的には人皮膚,動物皮膚内に於ける白癬菌は大部分最外層の角質層に存在し,一部顆粒層に限局して生棲し,以余の表皮有棘層,基底層,真皮の変化はすべて角質内侵入菌の増殖,反應に基く.しかるに菌を接種した皮膚を切除すると,即ち死ん
  • 桜井 仁吉
    1960 年 70 巻 2 号 p. 273-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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    メラノブラストの発生,メラニン生成の生化学並に神経末梢の組織像等に関する知見の近年に於ける長足の進歩は,色素細胞母斑に於ける諸所見の解釋を根本的にたてなおす事を余儀なくせしめた.豚鼻,土龍鼻,犬鼻等は神経要素の極めて豊富な部位として,古来諸家の研究の対象とされ,またそれ等に於ける所見はb\々人体に移され,それに據つて母斑等に於ける諸現象を説明することが試みられて来た.動物組織に於ける所見を人体にそのまゝ移して考えることは,Johnも指摘したように警戒を要する.例えばMerkel氏細胞の如き,動物には明かに存在するものであつても,人間に之の存在することの甚だ疑しいものがある.先にMerkel氏細胞を母斑細胞の母細胞と考えたMassonも,その新設に於ては,Merkel氏細胞を擧げて居ない.遡つて動物組織の所見そのものについて考えて見ても,過去の記載を再檢討する必要なしとしない.例えばメラノブラストを神経櫛起原性のものと考え(Du Shane,Rawles),表皮をマルピギー系列と樹枝状要素とから合成されたもの(Masson)と看做すとき,Merkel氏細胞等の他のマルピギー細胞と外観を異にする細胞の本態については再檢討を要するものがあろう.之と関連して洞毛殊に其処にあるMerkel氏細胞の所見等も亦檢討の余地がある.因みに洞毛若しくはその遺残物は,母斑発生母地として顧慮される場合がある(伊藤〔昇〕).神経の形態殊に太さについて詳かにすることは,b\々当該神経装置の機能判定に資するものである.神経諸要素並にMerkel氏細胞等の諸要素等は豚鼻の諸部位によつて分布を異にし,また洞毛の密度,形態等も部位によつて分布を異にし,また洞毛の密度,形態等も部位によつて等しくない.之等に関する諸家の記載の不一致の場合,それが檢査部位の相違に因るかに思われる場合もある.從つて著者はこの研究に当つて,先づ豚鼻各部位の皮膚構造を詳細に檢べ,それに基いて各要素の分布を明かにし,然る後に個々の要素自体に就いて檢討を加えるという順序を採つた.
  • 1960 年 70 巻 2 号 p. 294-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
  • 1960 年 70 巻 2 号 p. 15e-
    発行日: 1960年
    公開日: 2014/08/29
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