日本皮膚科学会雑誌
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皮膚病原糸状菌のケラチン分解能並びにその分解アミノ酸の研究
岡田 周策
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1961 年 71 巻 1 号 p. 37-

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抄録
皮膚病原糸状菌のケラチン分解能の研究には種々の方法が考案され,毛髪や羽毛などの角質組織そのまゝに病原糸状菌を培養してその分解能を推察したものにMacfadyenやNannizi,角質加培地の透明化をもつてケラチン分解能の証とせんとするものにPageがある.TateはOnslowの酵素精製法に做つて調製したいわゆるaceton powderを用いて実驗を行い,ケラチンを分解しないと結論した.羊毛に生菌或いは菌濾液を作用させてケラチン分解能を物理的,化学的または重量法により証明したものにStahl,in vitroで顯微鏡的に観察した上その培地中にも毛髪に由来するアミノ酸をペーパークロマトグラフにより証明したものにDanielsがある.これらの報告はいずれも皮膚病原糸状菌がケラチン分解能を有することを証明したのに対し,Jensenは角粉を混和した土壌培地中の土壌放線状菌の増殖を計算してケラチン分解の証左となした.以上の実驗もStahl及びDanielsのそれを除けばなお檢討を要し,のみならず,酵素学的にこの問題を究明せんとする企圖は僅かにTate及びStahlを擧げ得るのみである.
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© 1961 日本皮膚科学会
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