日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
71 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 世耕 政隆
    1961 年 71 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    最近の血液学の進歩には目覚ましいものがあり,多くの新知見が加えられた.よつて,紫斑性皮膚疾患を今日の血液学の立場から見直す必要もあり,以下に記すような検索を行つたので報告したい.
  • 笠坊 俊之
    1961 年 71 巻 1 号 p. 22-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    尋常性白斑には未だ的確な治療法はなくAmmi majus L.の成分の應用が最近の一進歩というべきである.私は本植物の製剤であるMeladinineを臨床的に應用する機会をえてその効果を檢するとともに本疾患に就て若干の檢索を行つたので報告したい.
  • 石関 昇
    1961 年 71 巻 1 号 p. 31-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    脂漏性皮膚炎の原因は皮脂の分泌異常によると考えられているとはいえ,その本態はなお未知に属する.動物実驗的には,ビタミンB6欠乏食によつて惹起される大黒鼠の皮膚変化が人の脂漏性皮膚炎に類似し,且つこの際尿中にXanthurenic acidの排泄されることが証明されている.以上の事実よりその治療にビタミンB6の應用は当然考えられ,1943年Wrightらの報告以来,吾國においても諸家によりその有効なることが強調された.さらにこれ等の報告を裏書するごとき実驗としては,1951年GlazerらはPyridoxine拮抗体Desoxypyridoxineを人体に投與してビタミンB6欠乏症を惹起せしめ,皮膚には脂漏性皮膚炎類似の症状を顯現した.この際にも,動物実驗に於けるがごとく,尿中よりTryptophanの異常代謝物Xanthurenic acidを檢出し,しかもこれらの欠乏症状はPyridoxineの投與により容易に消褪した.しかるに人の自然の脂漏性皮膚炎とビタミンB6代謝の関係,特にその欠乏の有無は,ビタミンB6測定の良法がないために,臨床的経驗より漠然と使用しているといつても過言ではない.
  • 岡田 周策
    1961 年 71 巻 1 号 p. 37-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    皮膚病原糸状菌のケラチン分解能の研究には種々の方法が考案され,毛髪や羽毛などの角質組織そのまゝに病原糸状菌を培養してその分解能を推察したものにMacfadyenやNannizi,角質加培地の透明化をもつてケラチン分解能の証とせんとするものにPageがある.TateはOnslowの酵素精製法に做つて調製したいわゆるaceton powderを用いて実驗を行い,ケラチンを分解しないと結論した.羊毛に生菌或いは菌濾液を作用させてケラチン分解能を物理的,化学的または重量法により証明したものにStahl,in vitroで顯微鏡的に観察した上その培地中にも毛髪に由来するアミノ酸をペーパークロマトグラフにより証明したものにDanielsがある.これらの報告はいずれも皮膚病原糸状菌がケラチン分解能を有することを証明したのに対し,Jensenは角粉を混和した土壌培地中の土壌放線状菌の増殖を計算してケラチン分解の証左となした.以上の実驗もStahl及びDanielsのそれを除けばなお檢討を要し,のみならず,酵素学的にこの問題を究明せんとする企圖は僅かにTate及びStahlを擧げ得るのみである.
  • 高田 一雄
    1961 年 71 巻 1 号 p. 44-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    色素細胞の所在,形態並びに機能に就ては,過去数十年に亙る先学の探究された所であるにもかゝわらず,今日尚幾多の未解決の問題が残されている.又メラニンの形成機序に就ても,BlochのDopa-oxidase説に対し,Bertrand(1895),Furth(1901),Hogeboom,Adams(1942)等を経て,Fitzpatrick et al.(1950)が,人体皮膚に於いて,Tyrosinaseの証明をhistochemischに証明し,筧がmanometricに人体皮膚のTyrosinaseを確認し,近時Tyrosinase説に傾きつゝある傾向にあると考えられる.次に色素細胞に就て顧みると,Blochが生体の細胞にして色素を有するものを2つに大別し,自所的生産によつて細胞内に色素を持つものと,自細胞外から何等かの段階を経て,色素を含有するものとに分ち,前者をMelanoblast,後者をMelano又はChromatophoreと名付け,兩者を総括して,色素細胞Melanozytenと呼んだ.このうちChromato phoreの語は,他の学者によつては別の意味にも用いられ,例えばTiech(1906)は青色母斑細胞をChromatophorenと呼び,Du Shane(1943)は魚類,兩棲類,爬虫類に見られ,そしてそれは,ホルモン,神経系及び物理化学的刺激の影響を受ける特異な分枝状色素細胞をChromatophorenと呼んでいる.動物に於ける此の種の細胞の含有する色素は通常褐色乃至黒色の顆粒をなすが,これとは別に,液状の黄色々素を含有する細胞としてXanthophore,更に液状の赤色々素を含有するAllophore,グワニン結晶を有するGuanophore,無機塩類結晶を含有するIridocyte,黄白の結晶及び液体を含有するXantholeucophore等が分類されているが,Melanocyteなる語に就ては,例えば,Becker-Fitzpatrick-Montgmery(1952)はMelanoblastなる語は成熟細胞には適切でないとして,これに代るものとして,Melanodendrocyte,又はMelanogenocyteの新稱を提唱した.Fitzpatrick-Lerner(1953)はその後更に色素細胞の分類を企て,成熟メラニン形成細胞をMelanocyte,未成熟メラニン形成細胞をMelanoblast,メラニン貪喰細胞をMecrophage又はMelanophage,下等動物のContractile cellをMelanophoreと呼んだが,この新分類,新名稱は,今日一般的に略々認められるに至つた.即ち現在アメリカで大体認められている分類は次の様である.Terminology of Pigment cells. Mature melanin-forming cell MELANOCYTE. Immature melanin-forming cell MELANOBLAST. Cell with phagocytized melanin MACROPHAGE(or MELANOPHAGE). 私も本分類に賛意を表し,以下Melanocyteなる語は上記の表に從つて使用する.さてこのMelanocyte内でTyrosineを基質として,如何にしてMelaninが出来るかと云う問題に対し,研究の方法は種々あるが,先に久木田15)により発表された放射性チロジン使用による色素細胞チロジナーゼ活性に就ての発表を見て,私は同氏の方法の変法により大体同一結果を見たが,一方新しくCuを使用することにより又一新知見を得た.同方法はメラノサイトのチロジナーゼ活性を知るには極めて優れた方法であるが,その微細構造を知るには不充分である点から,私は主として毛鞘のメラノサイトを電子顯
  • 松本 鐐一
    1961 年 71 巻 1 号 p. 57-
    発行日: 1961年
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル 認証あり
    敎室の上出(一),田中は色素沈著を起す諸症に就き詳細な檢討を行つたが,著者は尋常性白斑を中心とする色素脱失諸症に就き檢討した.
feedback
Top