日本皮膚科学会雑誌
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実験的皮膚腫瘍に関する研究
山口 全一
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1976 年 86 巻 4 号 p. 249-

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抄録

マウス皮膚の種々の部位(背部,耳翼,尾部,足の底部,陰部等)に 0.3% 20-Methylcholanthrene アセトン溶液, 1% 2-Aminoanthracene アセトン溶液, 0.25% 4-NitroquinoIineN-oxide アセトン溶液をそれぞれ 0.15ml 週2回,計30回塗布し,その腫瘍発生過程を肉眼的観察し,同時に皮膚生倹し,組織学的,電顕的に検討した.又足の底部では,上記化学物質の 1.5%, 5%, 1.25% アセトン溶液でも実験を行った.なお対照としてアセトン液のみの塗布したものを用いた.その結果得られた腫瘍は多くは上皮性腫瘍であったが,非上皮性腫瘍の発生も見られた.これら腫瘍を病理組織学的に分類したが,上皮性腫瘍では各化学物質により生じた腫瘍とも多くの型において毛嚢との関連性が示唆された.さらに個々の化学物質により発生する腫瘍の組織学的形態の相違並びに塗布部位による特異な所見を観察し得た.

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© 1976 日本皮膚科学会
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