日本皮膚科学会雑誌
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乾癬の免疫組織学的ならびに血清免疫学的研究
具志堅 初男
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1981 年 91 巻 4 号 p. 487-

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抄録
乾癬患者における免疫現象を確認するために,血清免疫学的見地から皮疹の免疫組織学的所見と流血中の免疫グロブリンおよび補体系の変動について検討した.蛍光抗体法による検索では,乾癬の早期疹と完成された局面疹において角層部,特に microabscess に IgG , IgA , IgM の免疫グロブリンおよび Clq, C3c, C3a, C5 の補体成分,さらに properdin, glycin rich β-glycoprotein と secretory IgA (SIgA) の成分である secretorycomponent (S-component) および joining chain( J-chain) の沈着が認められた.早期疹と局面疹では著しい相違はなかったが,前者においては properdin が高率に検出されたことから alternate pathwayの関与が推定された. lgA については,その沈着部に S-component と J-chain がみられ,このものが SIgA であることを示唆していた.患者血清中の lgG 値は健康者に比べて低く(p>0.05),lgM は有意の差を示さなかったが, IgA は高値の傾向を示す症例があった.補体系では,CH5,はやや高く,C3c はやや低い症例があったか C3-activator, C4 は特徴を示さなかった.乾癬患者の体表面積に対して皮疹の占める面積を考慮すると,皮疹面積が大きい症例ほど補体価は高値を示す傾向があった.以上の乾癬皮疹部の免疫組織学的所見と血清中の免疫グロブリンおよび補体の変動を示す成績から,乾癬の病因に免疫現象が関与していると推定した.
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© 1981 日本皮膚科学会
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