日本皮膚科学会雑誌
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膠原病患者にみられる環状紅斑
安江 隆
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1982 年 92 巻 2 号 p. 127-

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抄録

SLE 患者ならびに SLE 様症状を有する膠原病患者計8例にみられた環状紅斑につき,皮疹形態学的,病理組織学的,免疫組織学的ならびに免疫血清学的検索を行った.その結果,これらの環状紅斑が, 1) SLE患者にみられる蕁麻疹様環状紅斑で,組織学的には多核白血球浸潤と核塵を伴った血管炎が認められ, Lupus BandTest が陽性で,低補体があり,いわゆる補体減少性血管炎性蕁麻疹に一致する特徴を示す蕁麻疹様紅斑型,2)SLE 患者にみられ,皮疹的にも組織学的にもダリエ遠心性環状紅斑(EAC)に酷似している EAC 型,3)シェーグレン症候群(sjs)の女性患者の顔面に好発し,辺縁に鱗屑,蕁爛,痴皮を認めることがあり,組織学的には真皮の血管,付属器周囲性の主としてリンパ球からなる例密な細胞浸潤が認められるのが特徴のSjS型,4) SjS様の臨床症状,検査所見を示す男性患者で認められ,組織学的にもSjS型と似ているが,主に躯幹上部に好発し,一見頑癬様である Auto-immune annularerythema 型に分けられることがわかった.

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© 1982 日本皮膚科学会
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