抄録
臨床的に筋症状を全く欠く26歳女子,55歳女子,37歳男子のサ症症例の誹腹筋生検において,全例に筋組織中にもサ症特有の類上皮細胞性肉芽腫を認め得たことを報告し,あわせてサ症における筋病変の出現頻度につき,文献的考察を行った.これによればサ症における組織学的筋病変陽性率は発症早期の症例において高く,末期症例においては低くなっている.たとえば発症6ヵ月以内のサ症症例において,組織学的筋病変陽性率は87%にも達するとされている.サ症が疑われ,定型的病変に乏しい発症早期症例においては,手技も簡単で,安全性も高い骨格筋生検は,診断上極めて有用と思われる.