日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
角層細胞基質タンパクについて I.正常足蹠角層の基質タンパクの生化学的動態
手塚 正高橋 昌江
著者情報
ジャーナル 認証あり

1984 年 94 巻 2 号 p. 113-

詳細
抄録
①正常人足脈角層を水平に16μの厚さでスライスし,外,中,内の3層,透明層リッチ,顆粒層リッチの5画分に分け,乾燥重量および細胞1コあたりに換算した抽出タンパク量の変動およびSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動像の変化を比較検討した.②細胞1コあたりに換算した抽出タンパク量の変動はトリスバッファー可溶性画分で著しく,角層外層に向うにつれて減少がみられた.③トリスバッファー可溶性画分で減少したタンパクをSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動で検討したところ,分子量30,000~40,000の間,および14,000~20,000の間のペプチドが減少していることが明らかとなった.④角層外層細胞内で電顕的に減少ないし消失していた高電子密度基質物質に対応する物質としてSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動上減少していた分子量30,000~40,000と14,000~20,000の間のポリペプチドが考えられた.
著者関連情報
© 1984 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top