日本皮膚科学会雑誌
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94 巻 , 2 号
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  • 落合 豊子, 鈴木 啓之, 根本 則道
    1984 年 94 巻 2 号 p. 97-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    68歳男子ならびに91歳女子の頭部に発生したmalignant hemangioendotheliomaの2例を報告した.抗ヒト第Ⅷ因子ウサギ血清を用いた免疫組織化学的検索では,酵素抗体法にて索状配列をして充実性に増殖する腫瘍細胞の一部に染色性を認めた.電顕的には腫瘍細胞は,Weibel-Palade顆粒を有し,いずれの箇所でも基本的には正常毛細血管の構造によく似た構築像を呈し,腫瘍細胞が管腔形成に向けて分化していることが示唆された.本症はまれな疾患であるが,その組織診断については,日常の組織検査の他に第Ⅷ因子関連抗原を利用した免疫組織化学ならびに電顕的検索が極めて意義深いものであると考えた.
  • 麻上 千鳥, 西岡 和恵, 河村 邦彦, 山本 俊比古, 白石 達雄
    1984 年 94 巻 2 号 p. 105-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    1.先にV型高リポ蛋白血症を伴った黄色腫症の1例について報告したが,さらに1例を経験したので,両例の治療前後における微細構造的変化を比較検討し,以下の結果を得た.2.両例の共通所見として,治療による丘疹吸収部においては限界の明らかでない脂質滴を内包し,黄色腫細胞との移行を示すと考えられる組織球性細胞が認められた.3.両例の相違所見として,今回の例では治療による丘疹吸収時の残存黄色腫細胞において,その脂質空胞は明らかな限界膜を有しており,内部にはライソゾーム性消化の進行しつつあることを示す像が認められた.また,豊富な遊離リボゾーム,胞飲小胞及びdense filamentの他に,限界膜の明らかでない脂質滴を内包し,黄色腫細胞との移行を示すと考えられる平滑筋細胞が認められた.
  • 手塚 正, 高橋 昌江
    1984 年 94 巻 2 号 p. 113-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    ①正常人足脈角層を水平に16μの厚さでスライスし,外,中,内の3層,透明層リッチ,顆粒層リッチの5画分に分け,乾燥重量および細胞1コあたりに換算した抽出タンパク量の変動およびSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動像の変化を比較検討した.②細胞1コあたりに換算した抽出タンパク量の変動はトリスバッファー可溶性画分で著しく,角層外層に向うにつれて減少がみられた.③トリスバッファー可溶性画分で減少したタンパクをSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動で検討したところ,分子量30,000~40,000の間,および14,000~20,000の間のペプチドが減少していることが明らかとなった.④角層外層細胞内で電顕的に減少ないし消失していた高電子密度基質物質に対応する物質としてSDS-ポリアクリルアミドゲルスラブ電気泳動上減少していた分子量30,000~40,000と14,000~20,000の間のポリペプチドが考えられた.
  • 竹原 和彦, 中林 康青, 石橋 康正, 諸井 泰興, 相川 崇史, 稲葉 和代, 飯塚 啓介
    1984 年 94 巻 2 号 p. 121-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    限局性強皮症41例(morphea(M)10例,generalized morphea(GM)10例,linear scleroderma(LS)21例)について,免疫学的異常を検索する目的で,以下の検討を加えた.(1)抗核抗体を含む血液学的,血清学的検討(2)螢光抗体直接法による病変部皮膚における免疫グロブリンの沈着.(3)Sjogren症候群の合併の検索.結果は以下のごとく要約される.(1)HeLa細胞を基質とした螢光抗体間接法では,GM77.8%,LS65.0%,M33.3%に,マウス腎を基質とした場合は,GM77.8%,LS35.0%,M11.1%に抗核抗体が検出された.RA test陽性,hyper-γ-globulinemia,血沈亢進,末梢血好酸球増多は,GMにおいて他の病型に比してより高頻度に認められた.(2)螢光抗体直接法では,GM4例中3例に表皮細胞核にIgG,2例に表皮真皮接合部にIgM,1例に真皮血管壁にIgMの沈着が認められたのに対して,LS3例では陰性,M5例中では1例に表皮真皮接合部と真皮血管壁にIgMの沈着が認められたのみであった.(3)GM2例におよびLS1例において,眼科的に他覚検査で乾燥状態(+),sialographyでの異常所見(+),lip biopsy での異常所見(+)のうち,2つ以上の異常が認められ,Sjogren症候群の合併が強く示唆された.以上述べた結果より,GMはLS,Mに比して,より強い免疫学的異常を背景に有する病型であろうと思われた.
  • 池内 伸一郎, 木村 栄, 折原 俊夫, 山崎 雙次, 古谷 達孝, 佐藤 俶也
    1984 年 94 巻 2 号 p. 129-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    副腎皮質ホルモン剤単独治療か奏功した,2ヵ月男児に発症したKasabach-Merritt症候群の1例を報告した.副腎皮質ホルモンは当初Dexamethasone1日1mg経口投与とTriamcinolone acetate1日2mgの病変部内注射療法を実施,軽快に伴ない経口投与量を漸減,病変部内注射を隔日とし,治療約4ヵ月後に副腎皮質ホルモン剤の経口投与を,さらにその2週後に病変部内注射を中止し得た.併せて本症治療に関する内外の文献的考察を行ない,現時点における本症治療の大要を述べるとともに,今後副腎皮質ホルモン剤を主体とする本症治療の有用性並びに可能性について強調した.
  • 野原 正
    1984 年 94 巻 2 号 p. 137-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    表皮ケラチノサイトの角化過程および核消失における核酸分解酵素の局在を免疫組織化学(酵素抗体法)を用いて検討した.材料はヒト正常皮膚とウシの鼻の皮膚を用い,抗血清の作製には抗原としてウシ膵由来DeoxyribonucleaseⅠ(DnaseⅠ)とRibonucleaseA(RNaseA)を用いた.その結果,DNase,RNaseは核に一致して認められ,角化とともに増加,顆粒層で最も明瞭となるが角層にも認められた.RNaseは顆粒層では細胞質にも認められた.ケラチノサイトの角化に伴って,核内DNA,RNAは減少してゆくと考えられるが,DNaseとRNaseの増加はこれと逆相関することが明らかとなった.DNaseとRNaseが顆粒層で極に達すると同時に核は消失するが,DNase,RNaseは核を失った角層細胞内に残存することも明らかとなった.このように核消失の過程ではDNase,RNaseによる核酸分解の亢進が重要と思われる.
  • 若林 正治, 谷口 克, 富岡 玖夫, 岡本 昭二
    1984 年 94 巻 2 号 p. 143-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    キラーT細胞が標的細胞を傷害する際,標的抗原を特異的に認識するほかに従来から言われているような同一細胞上の組織適合性抗原(MHC)の関与が必要であるとされる.われわれはC57BL/6マウス由来のB16メラノーマ細胞を用いてB16メラノーマに特異的な同系キラーT細胞を誘導し,標的細胞の破壊にH-2抗原の関与があるか否かを調べた.すなわち,抗メラノーマ抗体および抗H-2抗体を作製し,抗体がキラーT細胞の傷害活性に与える影響を検討した.C57BL/6マウス由来のB16メラノーマ細胞株を用いて同系C57BL/6マウスあるいはウサギに免疫し,B16メラノーマに対して特異的活性を持つ抗血清を作製することができた.また抗H-2b抗体はC3H・SWマウスをC3Hマウスに免疫して作製した.これら抗血清を用いてキラーT細胞におよぼす影響を検討した結果,ウサギ抗メラノーマ抗体によりキラーT細胞の傷害活性は著明に抑制されたが抗H-2b抗体では傷害活性阻止はみられなかった.したがって,B16メラノーマ細胞に対する同系キラーT細胞は標的細胞を破壊する際,メラノーマ抗原は特異的に認識するがH-2抗原は必ずしも認識する必要がなく組織適合性抗原の制約は受けない可能性が示唆された.
  • 米田 和史, 北島 康雄, 柳原 誠, 森 俊二
    1984 年 94 巻 2 号 p. 151-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
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    原発性皮膚アミロイドーシスについて,パラフィン切片および新鮮凍結切片を用いた螢光抗体法を行ない,抗ケラチン抗体に対するアミロイド物質の反応性の検討を行った.材料としてはアミロイド苔癬7例,斑状アミロイドーシス18例の計25例を用いた.その結果原発性皮膚アミロイドーシスのすべての症例のパラフィン切片において,抗ケラチン抗体に対し,表皮細胞は強い陽性所見を示すにもかかわらず,アミロイド物質は陰性所見を示した.一方新鮮凍結切片においては陰性ないし陽性を示した.これらのことは,原発性皮膚アミロイドーシスにおけるアミロイド物質は抗ケラチン抗体による螢光抗体法ですべて陽性を示すという最近の幾つかの報告と一致しないもので,このことは皮膚のアミロイド物質の生化学的性状や形成機序を考える上で重要な所見と考えられた.
  • 1984 年 94 巻 2 号 p. 157-
    発行日: 1984年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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