抄録
Vitamin Aの発癌抑制作用をマウス皮膚に対する化学発癌剤20-methylcholanthreneの効果で観察した.すなわち,d-d系白色マウスに20-methylcholanthreneを作用させるとともに,retinol palmitateの外用,aromatic retinoidの内服をそれぞれ別の動物群に行ない,発癌状況およびその過程における組織学的変化を検討した.その結果,vitamin Aのいずれの方法による併用においても発癌率の明らかな低下と発癌遅延を認めた.また,組織学的には20-methylecholanthrene単独塗布群では表皮の炎症期,肥厚期につづいて腫瘍期がみられるのに対して,20-methylcholanthreneとvitamin A併用群では,肥厚期が持続するも腫瘍期への移行はほとんどみられないことが明らかとなった.