日本皮膚科学会雑誌
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化学発癌剤20-methylcholanthrene誘発マウス皮膚癌発生に及ぼすvitamin Aの影響 第2報:電子顕微鏡所見について
広瀬 寮二
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1985 年 95 巻 13 号 p. 1433-

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抄録
局所投与の20-methylcholanthreneによるマウス皮膚癌の発生に対するvitamin Aの抑制効果を電顕的に検討した.その結果,vitamin Aと20-methylcholanthreneを局所的に併用することにより6週間後,表皮細胞の著名な解離現象とともに,desmosome-tonofilament complexの減少が認められた.またハV腫状に拡張したrough-surfaced endoplasmic reticulumの増加と多数のribosomeの出現がみられ,mitochondria内にinclusion bodyを有するものも認められた.8週目に生じた腫瘍ではdesmosomeが不明瞭となり,tonofilamentはほとんど消失していた.一方,20-methylcholanthrene単独塗布により生じた腫瘍では対照的にdesmosome-tonofilament complexは比較的多量にみられ,細胞解離現象は示さなかった.したがってvitamin Aを作用させることにより表皮細胞が角化傾向の乏しい腺細胞様となり,20-methylcholanthreneの発癌作用を受けにくくなるのではないかと考えられた.
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© 1985 日本皮膚科学会
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