1985 年 95 巻 14 号 p. 1561-
皮膚サルコイドーシスの3例につき,皮膚病巣の肉芽腫におけるアンギオテンシン変換酵素(ACE)の局在を蛍光抗体法を用いて検討した.その結果,血清ACE活性が高値を示した1例,正常値を示した2例のいずれにおいても,皮膚病巣肉芽腫の類上皮細胞にACEに対する特異蛍光所見を認めた.これにより,サルコイドーシス患者における血清ACE活性の上昇には皮膚病巣肉芽腫の類上皮細胞も関与していることが示唆された.同時に本法が,血清ACE活性が正常値を示す皮膚サルコイドーシス疑診例に対し高い診断的価値をもつものと考えられた.