日本皮膚科学会雑誌
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皮膚血管肉腫の臨床病理学的,電顕的ならびに免疫組織化学的研究
桐生 美麿
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1985 年 95 巻 2 号 p. 117-

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抄録
九州大学医学部病理学教室第2講座において,最近19年間に収集された766例の肉腫から14例の皮膚血管肉腫を選出し,臨床病理学的に検索して次の結果が得られた.1)患者は男性が9例,女性が5例で,平均年齢は男性73歳,女性78歳であり,高齢者が多かった.2)全例が頭部および顔面に発生し,他の部位に発生した例はなかった.3)5例で局所に外傷を受けた既往があり,発生誘因としての関与が問題となる.4)患者の予後は一様に悪く,14例中10例が全経過2年以内に死亡し,1年以内生存中の3例のうち2例に再発が見られた.5)組織学的に各例で少なくとも一部に脈管形成傾向を認め,高分化から低分化まで多様な組織像が同一標本内に混在していたが,分化度の割合は例によって,また同一例でも多発ならびに再発した例では各腫瘍において様々であった.また,各例の少なくとも一部に分化度の低い部分が認められた.高分化部では良性病変と,低分化部では他の肉腫や癌腫と鑑別を要すべき像が一部に見られた.6)電顕的に腫瘍細胞は血管内皮細胞の特徴を有しているが,そのひとつであるWeibel-Palade顆粒はごくまれにしか見られなかった.また,腫瘍細胞は組織球的性格および線維芽細胞的性格も有していた.さらに,脈管の性質を有する細胞質内空胞の形成を認めたが,これは組織学的に見られた空胞に対応するものと思われ,未熟な脈管形成を示すものと考えられた.
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© 1985 日本皮膚科学会
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