日本皮膚科学会雑誌
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95 巻 , 2 号
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  • 西嶋 摂子, 朝田 康夫
    1985 年 95 巻 2 号 p. 99-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    皮膚感染病巣より分離された黄色ブドウ球菌153株についてファージ型別とコアグラーゼ型別を行い,各種疾患との相関ならびに12種類の抗生物質に対する感受性の相違について検討した.なかでも伝染性膿痂疹とS.S.S.S.については1974年の当科における成績と比較検討した.毛包炎,dv,よう,汗腺膿瘍,蜂窩織炎等の膿皮症からはファージ80型,コアグラーゼⅣ型が多く,湿疹等の二次感染巣からはファージⅢ群,コアグラーゼⅣ型がやや優位であったがいくつかの群,型に分散する傾向がみられた.伝染性膿痂疹は1974年と今回はほぼ同様の成績であり,ファージ71型,コアグラーゼⅤ型が圧倒的に多数であった.しかしS.S.S.S.は1974年は伝染性膿痂疹と同様ファージ71型,コアグラーゼⅤ型が最多数であったが,今回はファージ型に共通性はみられずコアグラーゼ型では半数がⅠ型であった.抗生物質感受性はファージ群別ではⅡ群の感受性が良く,Ⅰ群なかでも80型は多剤耐性であり感受性は悪かった.コアグラーゼ型別ではⅣ型が多剤耐性であったが,Ⅴ型はEMを除く薬剤に対して全株平均値より良好の感受性を有していた.
  • 三橋 善比古, 高橋 正明, 鈴木 真理子, 今泉 孝, 橋本 功, 帷子 康雄
    1985 年 95 巻 2 号 p. 109-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    3例の天疱瘡患者から得た血清,γ-グロブリンまたはIgGを,新生仔マウス腹腔内に受身移入して,天疱瘡病変の誘発を試みた.天疱瘡抗体価が陰性のものから1,280倍のものまで,数段階に分けて各々0.2mlづつ移入したところ,抗体価が160倍以下では病変は出現しなかったが,320倍以上では75~100%に天疱瘡類似の皮膚病変が誘発された.病変部の組織所見は,基底層直上の棘融解性水疱で,表皮細胞間にヒトIgGとマウスC3が沈着し,電顕的にも棘融解が証明された.移入した天疱瘡抗体のマウス補体に対する結合能をin vitroで検索したところ,病変を惹起した抗体はマウス補体を結合した.以上から,天疱瘡抗体の病因的意義を確認するとともに,補体系の関与について若干の考察を行った.
  • 桐生 美麿
    1985 年 95 巻 2 号 p. 117-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    九州大学医学部病理学教室第2講座において,最近19年間に収集された766例の肉腫から14例の皮膚血管肉腫を選出し,臨床病理学的に検索して次の結果が得られた.1)患者は男性が9例,女性が5例で,平均年齢は男性73歳,女性78歳であり,高齢者が多かった.2)全例が頭部および顔面に発生し,他の部位に発生した例はなかった.3)5例で局所に外傷を受けた既往があり,発生誘因としての関与が問題となる.4)患者の予後は一様に悪く,14例中10例が全経過2年以内に死亡し,1年以内生存中の3例のうち2例に再発が見られた.5)組織学的に各例で少なくとも一部に脈管形成傾向を認め,高分化から低分化まで多様な組織像が同一標本内に混在していたが,分化度の割合は例によって,また同一例でも多発ならびに再発した例では各腫瘍において様々であった.また,各例の少なくとも一部に分化度の低い部分が認められた.高分化部では良性病変と,低分化部では他の肉腫や癌腫と鑑別を要すべき像が一部に見られた.6)電顕的に腫瘍細胞は血管内皮細胞の特徴を有しているが,そのひとつであるWeibel-Palade顆粒はごくまれにしか見られなかった.また,腫瘍細胞は組織球的性格および線維芽細胞的性格も有していた.さらに,脈管の性質を有する細胞質内空胞の形成を認めたが,これは組織学的に見られた空胞に対応するものと思われ,未熟な脈管形成を示すものと考えられた.
  • 竹原 和彦, 石橋 康正, 諸井 泰興
    1985 年 95 巻 2 号 p. 135-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    全身性強皮症において検出されることの知られている各種抗核抗体と臨床像との関連を明らかにすることを目的とし,以下の検討を加えた.全身性強皮症患者35例について,血中に検出された抗核抗体により,抗centromere抗体陽性群8例,抗Scl-70抗体陽性群15例,抗RNP抗体単独陽性群5例,その他の群7例の4群に分けた.各群において現在厚生省強皮症調査研究班で検討中のscore診断に関して検討を加えた.高Scl-70抗体陽性群ではscore5~6を示す定型的な全身性強皮症が15例中9例に認められたのに対して,抗centromere抗体陽性群,抗RNP抗体単独陽性群では全例score2~4であった.抗Scl-70抗体陽性群では肺線維症,指の屈曲性拘縮の頻度が高く,抗centromere抗体陽性群で肺線維症,抗RNP抗体陽性群では全身のびまん性色素沈着が低頻度であった.以上述べたごとく,抗Scl-70抗体は定型的な全身強皮症を示す血中マーカーである可能性が強く示唆された.
  • 鬼頭 芳子
    1985 年 95 巻 2 号 p. 141-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    45歳の男性.初診の35日前から蕁麻疹が発生した.3日間の絶食テストで蕁麻疹が出なくなった.さらに試食試験を行い,大豆食品で蕁麻疹の誘発がみられた.食餌から一切の大豆製品を除いて3ヵ月後には大豆を摂取しても蕁麻疹が再発せず,その状態は15ヵ月以上継続した.
  • 本田 まりこ, 新村 眞人
    1985 年 95 巻 2 号 p. 145-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    疣贅状表皮発育異常症患者に発生したエクリン汗器官癌由来の培養細胞株を樹立し,その性状について検索した.細胞は37歳男子の腹腔内転移巣より得られ,37℃,5%CO2下で20%FBS添加Eagle's MEMを培地として静置培養された.培養細胞は多角形で敷石状に増殖し,重積傾向およびドーム形成がみられた.電顕的に微絨毛を有し,細胞質内および細胞間に管腔を形成する傾向がみられた.小型のデスモゾームと少数のトノフィラメントが認められたが,ウイルス粒子はみられなかった.染色体数は86にモードを有する低4倍体で,狭い範囲に分布し,t(4p-;9p+?)が認められた.BALB/cマウス皮下での初代生着率は5/5であり,腹腔内移植では5/5に癌性腹膜炎による血性腹水をみた.電顕像や酵素組織化学により培養細胞はエクリン汗器官癌由来の腫瘍が示唆された.免疫組織学的検索ではDAKO社の乳頭腫ウイルス粒子に対する抗血清では培養細胞および腹腔内転移巣細胞は陰性であったが,患者より分離したウイルスで免疫した家兎抗血清ではヒト乳頭腫ウイルス関連抗原が核および細胞質内に認められた.Southern法によるウイルスゲノムの検索で腹腔内転移巣および継代11代までの培養細胞中にウイルスDNAが検出されたが,継代17代の細胞中にはウイルスゲノムは認められなかった.
  • 田沢 敏男
    1985 年 95 巻 2 号 p. 157-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    hair fibrous protein(HFP)に対する単クローン抗体(HNK-2)を作製した.HNK-2は,immunoblot analysisによりHFPの72K,63K,epidermal fibrous protein(EFP)の56.5K,55Kのポリペプタイドを認識していることがわかった.HNK-2を用いた免疫電顕法では,表皮および毛皮質の張原線維が特異的に染色された.蛍光抗体法所見より,HNK-2は表皮,毛皮質,内毛根鞘などの皮膚角化性上皮に共通して,それらの母細胞は認識せず,より角化過程の進んだ細胞を認識することがわかった.これに関連して外毛根鞘における角化過程を推測し,外毛根鞘最内層細胞の特異性が示唆された.また,脂腺,汗腺もHNK-2により認識されるが,汗腺においては導管,筋上皮細胞がHNK-2陽性で,それらのfibrous proteinは抗原性において腺細胞のそれとは異ることが示唆された.角化過程において分化したケラチン線維を認識する単クローン抗体(HNK-2)により,皮膚の各上皮組織ケラチン線維の特異性が明らかとなった.
  • 野村 茂
    1985 年 95 巻 2 号 p. 167-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    アレルギー性接触過敏反応の影響及び免疫学的寛容誘導の効果が,two-stage carcinogenesisによる実験的腫瘍発生にどのような影響を及ぼすかを,A/Jマウスに対して,DNCB,TNCB,DNBS-Na及びTNBS-Naを用いて,実験的な検討を行ない以下の結果をえた.1.DNCB及びTNCBにて感作されたマウスでは,未感作マウスに比して,共に反応惹起部位の表皮基底細胞の分裂細胞数の増加を認めた.2.DNBS-Na及びTNBS-Naにて前処置され免疫学的寛容状態を誘導されたマウスでは,感作マウスに比して,反応惹起部位の表皮基底細胞の分裂細胞数の減少を認めた.3.DNCB感作―反応惹起をinitiation,promotionに先だつ前処置とする群は,型どおりinitiation,promotion処置の対照群と比較して,発生腫瘍数の増加を認めた.又,initiation後にDNCB感作をおこないpromotionを継続した場合は,対照群に比し,発生腫瘍数が有意の差で多く認められ,さらにDNCB感作―反応惹起群と比較すると腫瘍発生数の増加傾向を認めたが,有意の増加率を示さなかった.TNCB感作―反応惹起を行なった群では,対照群に比して腫瘍発生数の抑制傾向が認められ,DNCB感作群とTNCB感作群では逆の結果を示した.4.DNBS-Na及びTNBS-Na前処置による免疫学的寛容誘導群では,腫瘍発生数は対照群と比して差がなく,増加あるいは減少傾向をともに認めなかった.以上の結果から実験的腫瘍発生に対する遅延型免疫反応の関連をみると,感作物質の違いが腫瘍発生数に大きな影響を有する点と,免疫学的寛容の誘導は腫瘍発生に影響を及ぼさぬことが示唆された.
  • 1985 年 95 巻 2 号 p. 179-
    発行日: 1985年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
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