抄録
Merkel cell carcinoma of the skinの1例を報告し,若干の文献的考察を加えた.症例は68歳の女性.右頬部に腫瘤を形成.組織学的にはほぼ典型的なtrabecular carcinomaの像を認めた.電子顕微鏡学的検索で,腫瘍細胞は主としてlarge cellとsmall cellの2種類からなっていることが明らかとなった.Large cellの一部の細胞質内では直径約100nmのmembrane coated dense core granuleが数個認められた.経過観察中,右側頚部および右耳前部のリンパ節に転移を認めたため,郭清術を施行した.その後ピシバニールの皮下注射を行ない,また皮膚腫瘍巣切除術部の皮膚広範囲切除術を施行した.以後約2年を経過しているが,再発は認められていない.また腫瘍細胞質にneuron specific enolase,acid α-naphtyl acetase esteraseが存在することを明らかにした.