抄録
Reticular Erythematous Mucinosis症候群の本邦第1例と思われる症例を報告した.患者は56歳,男で,十数年来,胸部から腹部にかけて,軽度に浸潤を伴う網状の紅斑局面が存在し,生検の結果,真皮浅層のムチンの存在,血管周囲の円形細胞の浸潤が認められ,Steiglederらの記載と一致する所見を得た.生化学的検索を行なったところ,健常部の約3倍のヒアルロン酸の増量が証明された.自験例においては,免疫学的異常,甲状腺機能異常は認められず,境界型糖尿病,嚢胞腎,下肢のアレルギー性血管炎の合併が認められた.本症の本態,位置付け,原因等についてはいまだ結論は出ていないが,自験例において皮疹の辺縁部分に円形細胞浸潤が多く認められており,この細胞浸潤が病因論的に何らかの意味を持つように思われた.