抄録
1歳から84歳の男女22人の被覆部および露出部の皮膚について,ワイゲルト染色標本の一定面積中に占める弾力線維量を,真皮浅層および深層に分けて画像解析装置LUZEX 500を用いて測定した.被覆部浅層では,小児群(1~7歳),青年群(18~29歳),老年群(51~84歳)に分けると加齢とともに減少する傾向が見られた.一方,被覆部深層では,小児群と青年群の間では後者が有意に減少し,青年群と老年群の間では後者で有意に増加するのが見られた.また,露出部では20歳以上で浅層は同年齢群の被覆部に比べて高い値を示し,老年で著明に増加していたが,深層では被覆部同年齢群と差はなかった.