日本皮膚科学会雑誌
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ラット表皮より抽出されたヘマトキシリン染色陽性膜タンパク質について―第2報 In vivoでの局在―
高橋 昌江手塚 正
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1986 年 96 巻 1 号 p. 39-

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抄録
1.生後2-3日の新生仔ラット表皮の粉末を用い,50mM Tris-HCl buffer(pH 7.3)で抽出し調製用等電点電気泳動(pH range 3.5-5.5),SDS-polyacrylamide gel電気泳動(SDS-PAGE)でヘマトキシリン染色陽性タンパク質を精製した.2.体重約3kgの家兎にFreundの完全アジュバントと等量混合し皮下注射することにより抗体を作成した.3.家兎血清より精製したIgGをCNBr-activated Sepharose 4Bに結合した後,抗原を溶出するアフィニティークロマトグラフィーを行ったところカラムに結合したタンパクは90%以上であった.またこのカラムより溶出したタンパクはヘマトキシリン陽性の等電点4.7のタンパクと同一であった.4.FITCラベル抗家兎IgGを用い,10μmの新生仔ラット皮膚の凍結切片を作製して間接蛍光抗体法を行ったところ,角層細胞膜に著しい特異蛍光がみられた.5.したがってin vitroでヘマトキシリンに染色されたタンパク質は膜タンパクの一種であることが示された.
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© 1986 日本皮膚科学会
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