日本皮膚科学会雑誌
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96 巻 , 1 号
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  • 村木 良一
    1986 年 96 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    帯状疱疹272症例について補体結合反応(CF)抗体価の推移および臨床像との関連について検討し,93例では免疫粘着血球凝集反応(IAHA)による抗体価の検索も行った.(1)経時的推移では,発病4日以内にはIAHA抗体価のみ軽度上昇し,CFは陰性の例が多いが,第7病日頃よりCF,IAHAとも上昇を認め,第10~16病日にかけて最も高く,以後下降するが,6ヵ月,9ヵ月後にも軽度の上昇がみられた.(2)皮疹との関連では,潰瘍群など皮疹の重篤な群ほど高い抗体価を示し,また高値が持続した.(3)汎発例では一般に高値を示したが,汎発疹の顕著な重症例では上昇が遅延し,激症死亡例では全く上昇しなかった.(4)神経痛が長期間持続する群では,ことに60歳以上において,抗体価の著しい上昇が病初期よりあり,高値は約4ヵ月間持続した.(5)CF抗体価の測定法としては100%溶血法に比べ,50%溶血法の方が臨床的重症度をよりよく反映していた.
  • 勝俣 道夫
    1986 年 96 巻 1 号 p. 9-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    昭和34年から59年5月末までの約25年間に関東逓信病院皮膚科で切除された皮膚線維腫160症例,190検体につき臨床的ならびに病理組織学的,電顕的に検討した.160症例の性別は男子46例,女子114例で,年齢別では30~40歳台に多く,複数個切除した症例は21例であった.発生部位では大腿部が53例と最多で,大きさではタ至イ発生例が最も大きかった.組織型は構成細胞の比率と膠原線維の成熟度にもとづき,紡錘形の核を有する細胞と幼若な膠原線維が束状に配列する病巣をF型,核が円形で細胞質に富む細胞が密に増殖し,膠原線維が少量の病巣をH型,病巣の大部分が成熟した膠原線維よりなり,細胞成分の少ない病巣をC型とし,この3型の他それぞれの中間型についても検討した.その結果,F型は切除までの期間が短いがC型は長く,C型病巣の辺縁にFまたはH型によく類似した部分が認められる症例の存在より,C型がF型あるいはH型より移行する可能性が考えられた.中間型は病巣が大きく,表皮と接近したものに多かった.また各病巣部の電顕的検討の結果,F型にみられた細胞は活動性の高い線維芽細胞と考えられる細胞で,H型でみられた細胞は組織球と考えられる細胞であった.またFおよびH型(中間型)ではF型病巣とH型病巣の境界部付近には両者の中間型と考えられる細胞が認められた.今回新たに分類したC型病巣では細線維状構造が顕著なmyofibroblastの典型像とは異なるがこれに類似した細胞,やや活動性を有する線維芽細胞や組織球に類似した細胞が認められ,光顕的にC型病巣辺縁部にF型ならびにH型病巣が認められたことと合せ,C型病巣はFあるいはH型病巣より変化して生じた可能性があると考えられた.
  • 向井 秀樹, 衛藤 光, 西山 茂夫
    1986 年 96 巻 1 号 p. 25-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    皮膚限局性アミロイドーシス15例および多発性骨髄腫に伴う全身性アミロイドーシス1例の凍結切片を用いて,無処置ないし0.1Mグリシン溶液pH7.2および0.05%tween-20溶液にて洗滌後,蛍光抗体直接法の染色性を比較検討した.その結果,皮膚限局性のアミロイドで陽性となる免疫グロブリンは,かかる前処理にて容易に除去できるのに対し,全身性では除去できず,さらに自己免疫性疾患などのコントロール群でも染色性に変化がみられなかった.DylonおよびThioflavin-Tなどの特殊染色法による前処理後のアミロイドの染色性は,無処置のものと同様で変化をみなかった.以上の所見より,皮膚限局性アミロイドーシスのアミロイドにみられる免疫グロブリンは,アミロイドの一部ではなく非特異的に吸着しているにすぎないと考えた.さらに,免疫グロブリン除去後も,N-(7-dimethylamino-4-methyl-3-coumarinyl) maleimide(DACM)染色のdisulfide(S-S)結合が,アミロイドに陽性となったことより,アミロイド物質にS-S結合が含まれることを示している.最後に,モノクローナル抗ケラチン抗体EKH4においても,免疫グロブリン除去後のアミロイドが陽性であり,皮膚限局性アミロイドーシスにおけるアミロイドの起源は表皮ケラチノサイト(ケラチン)と考えた.
  • 依藤 時子, 辻 卓夫, 濱田 稔夫
    1986 年 96 巻 1 号 p. 31-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    1歳から84歳の男女22人の被覆部および露出部の皮膚について,ワイゲルト染色標本の一定面積中に占める弾力線維量を,真皮浅層および深層に分けて画像解析装置LUZEX 500を用いて測定した.被覆部浅層では,小児群(1~7歳),青年群(18~29歳),老年群(51~84歳)に分けると加齢とともに減少する傾向が見られた.一方,被覆部深層では,小児群と青年群の間では後者が有意に減少し,青年群と老年群の間では後者で有意に増加するのが見られた.また,露出部では20歳以上で浅層は同年齢群の被覆部に比べて高い値を示し,老年で著明に増加していたが,深層では被覆部同年齢群と差はなかった.
  • 高橋 昌江, 手塚 正
    1986 年 96 巻 1 号 p. 39-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    1.生後2-3日の新生仔ラット表皮の粉末を用い,50mM Tris-HCl buffer(pH 7.3)で抽出し調製用等電点電気泳動(pH range 3.5-5.5),SDS-polyacrylamide gel電気泳動(SDS-PAGE)でヘマトキシリン染色陽性タンパク質を精製した.2.体重約3kgの家兎にFreundの完全アジュバントと等量混合し皮下注射することにより抗体を作成した.3.家兎血清より精製したIgGをCNBr-activated Sepharose 4Bに結合した後,抗原を溶出するアフィニティークロマトグラフィーを行ったところカラムに結合したタンパクは90%以上であった.またこのカラムより溶出したタンパクはヘマトキシリン陽性の等電点4.7のタンパクと同一であった.4.FITCラベル抗家兎IgGを用い,10μmの新生仔ラット皮膚の凍結切片を作製して間接蛍光抗体法を行ったところ,角層細胞膜に著しい特異蛍光がみられた.5.したがってin vitroでヘマトキシリンに染色されたタンパク質は膜タンパクの一種であることが示された.
  • 清水 宏
    1986 年 96 巻 1 号 p. 45-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    水疱性類天疱瘡(BP)の病因の基盤と考えられる類天疱瘡抗原タンパク(BP-Ag)の同定をPam細胞(マウス由来培養表皮細胞株)から抽出したタンパクを用いて行なった.まず螢光抗体間接法でPam細胞膜にBP-Agが存在することを確認し,さらに抗基底膜部抗体(BMZ-Ab)がPam細胞のホモジネート(TBS buffer)により吸収されることを示した.BP-Agの同定にはウェスタンプロッティングの方法を応用した.すなわちPam細胞から2%SDS含有bufferにて抽出し,SDSポリアクリルアミド(4%)スラブゲル電気泳動にて分離したタンパクをスラブゲルからニトロセルロース膜へトランスファーし,BMZ-Abを有する5例の類天疱瘡患者血清(BPS)および5例の正常ヒト血清(NHS)と反応させたところ,NHSでは全例陰性であったが,BPSでは5例全例でそのBMZ-Abと結合性を有する数種類の陽性タンパクを認めた.陽性タンパクの分子量はそれぞれ約32Kd,36Kd,45Kd,48Kd,140Kd,160Kdであったが,これらすべてが全症例に共通して陽性を示すのではなく,特定の症例においてのみ陽性を示すものもあった.さらにBPSおよびNHSよりProtein A Sepharoseカラムにて精製分離したIgG分画で同様の実験を行なったところ,全血清を用いた場合と同様の結果を示し,これらのタンパクは正常人IgGとは反応しなかった.また培養ヒト表皮細胞より抽出したタンパクについても同様の実験を行なったところ,4例のNHSとの結合は陰性であったが4例のBPSと結合する数種類のBP-Agと考えられる陽性タンパクが見い出された.以上より①BP-Agは単一なタンパクではなく多様性であり,抗原性の異なる複数のタンパクにより構成されている.②BP-Agは分子量32Kd,36Kd,45Kd,48Kd,140Kd,160Kdなどのタンパクである可能性が高い.および③BMZ-Abは全症例で均一な性状を示すのではなく多様性があり,症例個々によりそのBMZ-Abが対応するBP-Agのタンパク数,種類に差のあることが示唆された.
  • 1986 年 96 巻 1 号 p. 53-
    発行日: 1986年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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