日本皮膚科学会雑誌
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皮膚線維腫の臨床的,病理組織学的ならびに電顕的検討
勝俣 道夫
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1986 年 96 巻 1 号 p. 9-

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抄録
昭和34年から59年5月末までの約25年間に関東逓信病院皮膚科で切除された皮膚線維腫160症例,190検体につき臨床的ならびに病理組織学的,電顕的に検討した.160症例の性別は男子46例,女子114例で,年齢別では30~40歳台に多く,複数個切除した症例は21例であった.発生部位では大腿部が53例と最多で,大きさではタ至イ発生例が最も大きかった.組織型は構成細胞の比率と膠原線維の成熟度にもとづき,紡錘形の核を有する細胞と幼若な膠原線維が束状に配列する病巣をF型,核が円形で細胞質に富む細胞が密に増殖し,膠原線維が少量の病巣をH型,病巣の大部分が成熟した膠原線維よりなり,細胞成分の少ない病巣をC型とし,この3型の他それぞれの中間型についても検討した.その結果,F型は切除までの期間が短いがC型は長く,C型病巣の辺縁にFまたはH型によく類似した部分が認められる症例の存在より,C型がF型あるいはH型より移行する可能性が考えられた.中間型は病巣が大きく,表皮と接近したものに多かった.また各病巣部の電顕的検討の結果,F型にみられた細胞は活動性の高い線維芽細胞と考えられる細胞で,H型でみられた細胞は組織球と考えられる細胞であった.またFおよびH型(中間型)ではF型病巣とH型病巣の境界部付近には両者の中間型と考えられる細胞が認められた.今回新たに分類したC型病巣では細線維状構造が顕著なmyofibroblastの典型像とは異なるがこれに類似した細胞,やや活動性を有する線維芽細胞や組織球に類似した細胞が認められ,光顕的にC型病巣辺縁部にF型ならびにH型病巣が認められたことと合せ,C型病巣はFあるいはH型病巣より変化して生じた可能性があると考えられた.
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© 1986 日本皮膚科学会
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