日本皮膚科学会雑誌
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Waardenburg症候群の母子例
川口 新暉河 陽子川口 早苗溝口 昌子久保田 伸江
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1987 年 97 巻 4 号 p. 437-

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抄録
母親と2児に認められた典型的なWaardenburg症候群の母子例について報告した.35歳の母親と5歳の女児に先天性感音性難聴,内眼角と涙点の側方転位,虹彩異色症と前頭部の白髪がみられた.女児はさらに鼻根部の拡大,睫毛の白変と部分的白斑を認め,同胞の8歳の男児は鼻側部眉毛過形成と内眼角の側方転位のみを認めた.また,女児に認められた部分的白斑について光顕,光顕dopa,および電顕的に検索した.剥離dopa反応で白斑部はdopa陽性細胞がない部位がほとんどであったが,一部には少数ながら陽性細胞が認められた.白斑部melanocyteの電顕所見では,melanosomeは比較的stageの若くて未熟なものが多く,形態異常もみられた.以上の所見は程度の差はあるものの,piebaldismの白斑と類似していた.
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© 1987 日本皮膚科学会
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