8歳男児に生じたhalo congenital nevusについて光顕的,電顕的に検索した.中心母斑はcompound nevusで,真皮における稠密なリンパ球浸潤を欠く非炎症型であった.電顕的にhalo部表皮においてはmelanocyteはその数が減少し,細胞質内にはspherical granular melanosomeを主体とする異常melanosomeが豊富に観察された.基底層上に増加しているLangerhans細胞のあるものはリンパ球とのappositionを示した.表皮内母斑細胞巣において,Langerhans細胞は増加しており,多数の開大したER,空胞を有するものや,細胞膜が不規則かつ不連続で,細胞質内小器官の流出像を示すものが観察された.表皮内母斑細胞のあるものはcytolysisを示し,一部に表皮内母斑の構築の破壊がみられた.真皮内母斑細胞には著変はみられなかった.以上より本症においてはhalo発生のみならず,表皮内母斑の退縮にもLangerhans細胞を始めとする一種のcell-mediated immunityが関与している可能性が示唆された.