日本皮膚科学会雑誌
Online ISSN : 1346-8146
Print ISSN : 0021-499X
ISSN-L : 0021-499X
Halo congenital nevusの電顕的観察
北島 淳一石井 正光深井 和吉茶之木 美也子濱田 稔夫
著者情報
ジャーナル 認証あり

1987 年 97 巻 5 号 p. 545-

詳細
抄録

8歳男児に生じたhalo congenital nevusについて光顕的,電顕的に検索した.中心母斑はcompound nevusで,真皮における稠密なリンパ球浸潤を欠く非炎症型であった.電顕的にhalo部表皮においてはmelanocyteはその数が減少し,細胞質内にはspherical granular melanosomeを主体とする異常melanosomeが豊富に観察された.基底層上に増加しているLangerhans細胞のあるものはリンパ球とのappositionを示した.表皮内母斑細胞巣において,Langerhans細胞は増加しており,多数の開大したER,空胞を有するものや,細胞膜が不規則かつ不連続で,細胞質内小器官の流出像を示すものが観察された.表皮内母斑細胞のあるものはcytolysisを示し,一部に表皮内母斑の構築の破壊がみられた.真皮内母斑細胞には著変はみられなかった.以上より本症においてはhalo発生のみならず,表皮内母斑の退縮にもLangerhans細胞を始めとする一種のcell-mediated immunityが関与している可能性が示唆された.

著者関連情報
© 1987 日本皮膚科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top