抄録
有棘細胞癌,ボーエン病,老人性角化腫,脂漏性角化症における血液型物質の分布を抗ABH血液型モノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討した.正常表皮細胞では顆粒層のみに血液型に一致した抗体で陽性所見が得られたが,有棘細胞癌,ボーエン病,老人性角化腫,脂漏性角化症の腫瘍部では基本的に血液型物質の局在は認められなかった.腫瘍部における結果は従来の報告と相違していたが,その原因として我々の使用した抗ABH血液型モノクローナル抗体と従来の報告で使用されているレクチンであるUEA-1,抗A,B血清(polyclonal)の差による可能性が示唆された.