日本皮膚科学会雑誌
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97 巻 , 6 号
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  • 影下 登志郎, 小野 友道, 荒尾 龍喜, 富田 靖
    1987 年 97 巻 6 号 p. 685-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    正常皮膚およびメラノサイト系腫瘍におけるチロジナーゼの分布を抗チロジナーゼ4モノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討した.正常皮膚では表皮メラノサイトと毛母メラノサイトに陽性所見が得られた.また胎児(胎生9週)表皮メラノサイトも陽性所見を示した.色素母斑では真皮上層の母斑細胞のみが陽性を示し,下層のものは陰性であった.メラノーマ原発巣ではほぼすべての腫瘍細胞が陽性を示したが,転移巣ではheterogeneityを示すものが多かった.amelanotic melanomaは陰性であった.この抗体はメラノサイト系の細胞のみと反応し既に報告されているメラノーマに対するモノクローナル抗体の多くがメラノサイト系以外の腫瘍や正常細胞とも反応することから,免疫組織学的にメラノサイトおよびメラノサイト系腫瘍の有用なマーカーになるものと思われる.
  • 清水 直也
    1987 年 97 巻 6 号 p. 691-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    基底細胞腫(BCE)のケラチン線維蛋白を抽出し,抗BCEケラチン単クローン抗体(BKN-1)を作製した.BKN-1は免疫蛍光抗体法で,表皮基底細胞層,毛組織,汗腺に反応した.BKN-1および抗毛ケラチン単クローン抗体(HKN-2,4~8)と抗単層上皮ケラチン単クローン抗体(RGE53)を用いて,BCEの17症例を免疫組織化学的に検索した.BKN-1および正常表皮基底細胞と反応しないHKN-2は,BCEの胞巣全体に反応した.毛組織特異抗体のうち内毛根鞘以内のみに反応するHKN-6,7,8はBCE胞巣と全く反応せず,RGE53も同様であったが,正常外毛根鞘最内層細胞以内に反応するHKN-5では,BCE胞巣の一部に強い反応を認めた.以上より,BCE細胞は正常表皮基底細胞と異なるケラチン分化を示し,正常外毛根鞘細胞に類似した分化を示すと考えられる.
  • 鈴木 享, 高橋 明子, 樋口 道生, 滝内 石夫
    1987 年 97 巻 6 号 p. 699-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Staphylococcal scalded skin syndrome(SSSSと略)患者より分離した黄色ブドウ球菌(黄ブ菌と略)を,trypticase soy brothに培養し,これより粗抽出したexfoliative toxin(ETと略)をnew born mouseに皮下注射すると13.75μg以上の濃度にて,12時間後に広範囲なNikolsky sign(N.signと略)の形成が観察された.この13.75μgの粗抽出ETと各種の濃度のN-ethylmaleimide(NEMと略)又はiodoacetic acid(IAAと略)を混合後,new born mouseに皮下注射しN.signの形成を観察した.結果は,0.5mM以上のNEM又は,0.25mM以上のIAA添加の系ではN.signの形成が阻止された.しかし,この阻止されたmouseを5℃にて保つと48時間後にN.signの形成がみられた.N.signの阻止がみられた0.5mM NEM添加の系に,12時間後の時点で,さらに0.125mM以上の濃度のNEMを注射しておくと,N.sign陰性は,少くとも72時間後までは持続した.組織所見においても,0.5mM NEM添加の系では,顆粒層直下での剥離が全く認められなかった.これらの結果からは,表皮に到達したETが細胞に働く結果,cysteine系のproteinaseを活性化させ,そのproteinaseをSH試薬が阻害することにより,new born mouseにN.signが形成されなかったものと推測された.しかしながら,SH試薬が,表皮の細胞のSH基に結合し,細胞の構造上の変化を生じ,ETの作用を波及させなくしている可能性も否定できなかった.
  • 四本 秀昭
    1987 年 97 巻 6 号 p. 705-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    接触皮膚炎反応の強さは,まず感作時に抗原処理を行うマクロファージや抗原提供細胞のレベルで調節されていると想像される.我々はマクロファージの貪食能を活性化するdiethylstilbestrol(DES)をマウスへ投与し,picryl chloride(PCl)による接触皮膚炎反応へどのような影響を及ぼすか検討した.DESを前投与したマウスで十分大きな接触皮膚炎を惹起するためには,より多量の抗原が必要であった.至適抗原量をDES抗与マウスへ塗布すると反応は対照群より弱く,CY前処理で反応の強さは対照群と同程度となった.DES前投与マウスではCon Aに対するリンパ球幼若化反応は対照群と差はなかった.腹腔浸出細胞はDES投与群で貪食能が高まっていた.以上から,マウス接触皮膚炎は感作の段階でまずマクロファージ群による反応の調節が行なわれていると考えた.
  • 四本 秀昭
    1987 年 97 巻 6 号 p. 711-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    著者は第1報で,diethylstilbestrol(DES)投与マウスへpicryl chloride(PCl)を経皮的に感作したところ,十分大きな接触皮膚炎反応を惹起するためにはより多量の抗原の投与が必要であることを報告した.この現象はDESによりマクロファージの異物処理能力が増強され,又,免疫応答を負の方向へ伝達するマクロファージの機能が亢進したために生じたと考えた.第1報ではランゲルハンス細胞の抗原提供能にDESが影響を及ぼす可能性が完全には除外できず,又,塗布されたPClが経皮的に吸収され様々な免疫組織で捕捉されて反応を修飾している可能性も考えられた.そこで,これらの問題点を検討する目的でTNP化細胞を作製し顆粒状抗原としてマウスに投与し,DESが接触皮膚炎反応に如何なる影響を及ぼすか調査した.DES投与マウスにTNP化脾細胞を皮下注射したところ,接触皮膚炎反応は対照群に比較して弱く,CY前処理で反応の強さは対照群と同程度となった.この現象は,DES投与マウスでは接触皮膚炎抑制機構が作動したためと考えられ,PClを経皮的に投与した場合と同じで,少なくともDESが表皮の抗原提供細胞の機能に変化を及ぼしたために生じたのではないかと思われる.又,DESが非免疫マクロファージの機能のみに影響を及ぼすと仮定すると,TNP化表皮細胞による接触皮膚炎感作へは大きな影響を与えないと思われる.しかしながら,ランゲルハンス細胞に富むTNP化表皮細胞を皮下注射した場合も,DESにより接触皮膚炎反応は減弱して観察されたことから,DESにより免疫応答を負の方向へ誘導するマクロファージが存在することが予測された.従って,マウス接触皮膚炎は感作の段階でまずマクロファージ群による反応の強さの調節が行なわれていると考えた.
  • 関 利仁, 名城 浄子, 大原 国章, 玉置 邦彦, 石橋 康正
    1987 年 97 巻 6 号 p. 717-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    有棘細胞癌,ボーエン病,老人性角化腫,脂漏性角化症における血液型物質の分布を抗ABH血液型モノクローナル抗体を用いて免疫組織学的に検討した.正常表皮細胞では顆粒層のみに血液型に一致した抗体で陽性所見が得られたが,有棘細胞癌,ボーエン病,老人性角化腫,脂漏性角化症の腫瘍部では基本的に血液型物質の局在は認められなかった.腫瘍部における結果は従来の報告と相違していたが,その原因として我々の使用した抗ABH血液型モノクローナル抗体と従来の報告で使用されているレクチンであるUEA-1,抗A,B血清(polyclonal)の差による可能性が示唆された.
  • 進藤 泰子, 秋山 純一, 松本 和彦, 高瀬 吉雄
    1987 年 97 巻 6 号 p. 723-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    43歳女のWerner症候群(WS)と対照として5歳(young)と88歳(old)女より得た培養皮膚線維芽細胞を用いて実験した.(1)DNA合成速度はyoungと比べてWSとoldで低下し,特にWSで20%と著明であった.(2)蛋白合成速度はWSで30~35%と低下した.(3)局在の異なる8つの酵素でウエスターンプロット解析をした結果,WSでミトコンドリアの酵素とペルオキシゾームのカタラーゼが軽度低下した.(4)最も大きい変化はWSのG6PDHが対照の1/7と著明な低値を示したことであり,この原因はG6PDHの合成速度の低下によるものと考えられた.
  • 薄場 秀
    1987 年 97 巻 6 号 p. 729-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬15例の表皮細胞核における核酸分解酵素の局在,およびPUVA後の変動を免疫組織化学(酵素抗体法)を用いて検討した.材料は,尋常性乾癬患者の病巣,および隣接無疹部皮膚を用いた,抗血清の作製には抗原として,ウシ膵由来Deoxyribonuclease I(DNase I)とRibonuclease A(RNase A)を用いた.その結果,1)乾癬では,核DNase,RNaseの染色性は表皮上層に向かうにつれて増強し,顆粒層に相当する部位にて最強となった.2)PUVA後は,PUVA前よりも核DNase,RNaseの染色性は増強した.やはり表皮上層に強い染色性を示し,顆粒層にて最強となった.3)PUVA有効例とPUVA非有効例とでは,染色性の異なることがわかった.有効例ではPUVA前の核DNase,RNaseの染色性は強く,PUVA後は著明に増強した.非有効例ではPUVA前の染色性は弱く,PUVA後の増強の程度も低かった.このことより,PUVA前に核DNase,RNaseの染色性が強いものはPUVAの良い適応であり,抗DNase染色,抗RNase染色はPUVAの効果を予測する良いマーカーであると結論した.4)乾癬における角層内の核の残存は,核DNase,RNaseの減少により生ずるものと考えた.
  • 江川 清文, 長野 博章, 影下 登志郎, 小野 友道
    1987 年 97 巻 6 号 p. 737-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    ウイルス性疣贅はhuman papillomavirus(HPV)感染によりケラチノサイトがtransformationを起こし,腫瘍性増殖を来たしたものと考えられている.このtransformationに伴うケラチノサイトの形質の変化をミルメシア9例を対象に,糖特異性の異なるPNA,UEA-I,WGAの3種のレクチンの結合性の面からABC法を用いて検討した.この結果,ミルメシアにおいては,周辺正常部と疣贅部との間に明瞭な染色性の違いを認めた.このことはミルメシアがHPV感染によりケラチノサイトの特異な形態的変化を引き起こすとともに,細胞膜糖質の代謝の面からも大きな変化を来たしていることを示すものであると考えた.
  • 安井 由美子, 宮下 光男, 馬場 俊一, 鈴木 啓之
    1987 年 97 巻 6 号 p. 745-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    剥離表皮を用いたオートラジオグラフィーを試み,表皮ケラチノサイト核内へのトリチウム標識チミジン(3H-TdR)の取り込みを光顕にて観察した.本法は,1標本で1cm2以上の広範囲が観察可能であり,毛包間表皮部および毛包脂腺部の標識細胞の数と分布を2次元,3次元的に観察し得る.
  • 1987 年 97 巻 6 号 p. 749-
    発行日: 1987年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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