抄録
尋常性乾癬15例の表皮細胞核における核酸分解酵素の局在,およびPUVA後の変動を免疫組織化学(酵素抗体法)を用いて検討した.材料は,尋常性乾癬患者の病巣,および隣接無疹部皮膚を用いた,抗血清の作製には抗原として,ウシ膵由来Deoxyribonuclease I(DNase I)とRibonuclease A(RNase A)を用いた.その結果,1)乾癬では,核DNase,RNaseの染色性は表皮上層に向かうにつれて増強し,顆粒層に相当する部位にて最強となった.2)PUVA後は,PUVA前よりも核DNase,RNaseの染色性は増強した.やはり表皮上層に強い染色性を示し,顆粒層にて最強となった.3)PUVA有効例とPUVA非有効例とでは,染色性の異なることがわかった.有効例ではPUVA前の核DNase,RNaseの染色性は強く,PUVA後は著明に増強した.非有効例ではPUVA前の染色性は弱く,PUVA後の増強の程度も低かった.このことより,PUVA前に核DNase,RNaseの染色性が強いものはPUVAの良い適応であり,抗DNase染色,抗RNase染色はPUVAの効果を予測する良いマーカーであると結論した.4)乾癬における角層内の核の残存は,核DNase,RNaseの減少により生ずるものと考えた.