2019 年 33 巻 2 号 p. 234-239
喘息の治療・管理において重要なことは, 喘息と類似した疾患の鑑別診断をしっかりと行いアレルギー性鼻炎・副鼻腔炎, 胃食道逆流症といった併存疾患の有無に注意を払うことである. さらにこれらの疾患は喘息の増悪因子ともなりうるため, 適切に治療を行う必要がある. その中でも, アレルギー性鼻炎に対してはダニ, スギに対する舌下免疫療法が低年齢から可能となり, アレルギーの自然経過を修飾しうることが期待される. アレルギーマーチとよばれる経過をたどることが知られている小児においては, 喘息だけではなくアレルギー疾患を包括的に治療・管理することが求められる.