日本皮膚科学会雑誌
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グリセオフルビンによる実験的プロトポルフィリン症の可逆性に関する検討(第1報)
入船 弘子
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1987 年 97 巻 7 号 p. 801-

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抄録
化学物質によって誘発されるポルフィリン代謝異常が可逆性であるか否かを検討するため,dd-K系マウスに0.5%griseofulvin(GF)含有飼料を与え,protoporphyriaを誘導,この代謝異常がGF投与中止によりどのように変化するかを調べた.0.5%GF含有飼料36日間投与で血液中porphyrin体(P),肝臓Pはいずれも著増し,いわゆるGF-induced protoporphyriaを誘導することができた.GF中止後,血液中Pが約1ヵ月で正常値に回復するのに比べ,肝臓Pは1~2ヵ月を経ても異常高値を示した.血液中Pの増加が肝臓からのoverflowによって起こるものとすれば,この血液中Pおよび肝臓Pの変動上の解離現象がいかなる機序によって生ずるのかを明らかにする必要があると思われた.
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© 1987 日本皮膚科学会
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