日本皮膚科学会雑誌
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自己免疫性水疱症研究領域へのBiotin-Avidin法の導入―Biotin化した天疱瘡又は類天疱瘡抗体及び蛍光標識avidinを用いた免疫蛍光法実施例―
村松 勉坂本 邦樹池田 志斈
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1988 年 98 巻 10 号 p. 977-

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抄録
ヒト正常皮膚又は牛鼻皮膚を基質として,天疱瘡及び類天疱瘡のbiotin修飾抗体と蛍光標識avidinを用いて免疫蛍光法を施行した.Biotin化した天疱瘡抗体及び類天疱瘡抗体ともに,その特異蛍光は鮮明であり,通常の免疫蛍光法と比較して非特異蛍光が極めて少なかった.本法を免疫蛍光阻止試験に応用し,抗表皮細胞膜(間)抗体及び抗基底膜部抗体を併せもつ水疱症例の自己抗体の抗原特異性を明らかにした.本法におけるbiotin化の操作は従来の蛍光標識法と比較し,より簡便であり,又,avidinは種々の蛍光物質を標識することが可能であり,本法と通常の免疫蛍光法とを併用することにより,種々の異なった抗原を同時に染め分けることが可能であるなど,皮膚免疫組織化学領域における免疫蛍光法の応用範囲は,さらに拡大されうるものと思われる.
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© 1988 日本皮膚科学会
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