日本皮膚科学会雑誌
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98 巻 , 10 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 村松 勉, 坂本 邦樹, 池田 志斈
    1988 年 98 巻 10 号 p. 977-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    ヒト正常皮膚又は牛鼻皮膚を基質として,天疱瘡及び類天疱瘡のbiotin修飾抗体と蛍光標識avidinを用いて免疫蛍光法を施行した.Biotin化した天疱瘡抗体及び類天疱瘡抗体ともに,その特異蛍光は鮮明であり,通常の免疫蛍光法と比較して非特異蛍光が極めて少なかった.本法を免疫蛍光阻止試験に応用し,抗表皮細胞膜(間)抗体及び抗基底膜部抗体を併せもつ水疱症例の自己抗体の抗原特異性を明らかにした.本法におけるbiotin化の操作は従来の蛍光標識法と比較し,より簡便であり,又,avidinは種々の蛍光物質を標識することが可能であり,本法と通常の免疫蛍光法とを併用することにより,種々の異なった抗原を同時に染め分けることが可能であるなど,皮膚免疫組織化学領域における免疫蛍光法の応用範囲は,さらに拡大されうるものと思われる.
  • 青木 敏之, 船井 龍彦, 小嶋 益子
    1988 年 98 巻 10 号 p. 981-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    皮内テストおよびRASTで,鶏卵に対し種々の程度の反応を示したアトピー性皮膚炎患児35名の血清を用いて,母親の皮膚で鶏卵によるP-K試験と経口P-K試験をおこなった.P-K試験は皮内テスト陽性者の73.7%,同陰性者の18.8%,RAST陽性者の72.7%,同陰性者の7.7%に陽性であった.経口P-K試験は,P-K試験陰性者には起こらず,同陽性者の41.2%に陽性であった.また皮内テスト陽性者の36.8%,RAST陽性者の31.8%に陽性反応を認めた.したがって卵アレルギーのあるアトピー性皮膚炎患児のかなりの割合において,卵摂取によって消化管から吸収されて皮膚に到達する卵アレルゲンとⅠ型反応を起こすに充分なIgE抗体が血清中に存在するものと考えられる.
  • 高橋 博之
    1988 年 98 巻 10 号 p. 987-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    腫瘍細胞が有する抗原物質の特異性検索を目的とし,19症例の良性ならびに悪性末梢神経鞘腫瘍を用いて免疫組織化学的検索を施行した.悪性変化を示した5症例中,4症例がvon Recklinghausen病を基礎疾患としていた.今回の検索から以下の知見を得た.a)S-100 proteinβsubunitは腫瘍の悪性化とともに減弱化し,b)同α-subunit陽性細胞は増加していた.c)beta 2 microglobulinの反応性は悪性化を呈した場合は消失していた.d)横紋筋への分化能力,悪性化におけるvimentin陽性細胞の存在などからSchwann cellの間葉系細胞的性状が示唆された.今回の検索から,末梢神経鞘腫瘍における免疫組織化学的検索は腫瘍の発生母地,悪性化への可能性,神経原性組織への分化能力の想定に極めて有用と考えられた.
  • 黒木 康誰, 多田 茂, 田尻 明彦, 井上 勝平
    1988 年 98 巻 10 号 p. 997-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    当科で経験したATL54例(死亡32例,生存中22例)について,臨床所見,合併症,治療と経過などを検討し,若干の考察を試みた.
  • 落合 豊子, 森岡 貞雄, 青木 清子
    1988 年 98 巻 10 号 p. 1015-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    74歳,女子にみられたverrucous trichilemmal tumorにおいて,病理組織学的に腫瘍巣内に特異なdyskeratotic cellを多数認めた.この細胞は,HE染色で核周囲の細胞質が強いエオジン好性を示し,さらにその周囲の細胞質は,エオジンに淡くそまり,clear zoneを形成している.核周囲のエオジン好性部は,電顕的に核を囲続する張原線線維が束状をなしており,involucrin弱陽性である.一方,周囲のclear zoneは,電顕的に細胞内小器官に乏しく,involucrin強陽性を呈する.また,腫瘍巣は抗毛ケラチン単クローン抗体HKN-2,HKN-4が全体に陽性,HKN-5は一部分陽性,HKN-6は陰性であった.この特異なdyskeratotic cell(D cellと略記)はinverted follicular keratosis,keratoacanthoma,malignant proliferating trichilemmal tumor,malignant trichilemmomaなどの毛包腫瘍において高率に出現し,いずれも外毛根鞘角化あるいは,squamous eddiesなどの毛包の異常角化に伴って認められた.しかしinterfollicular epidermal keratinocyte由来の腫瘍には見い出すことができなかった.以上より,D cellは,毛包漏斗部~峡部への分化を持つ外毛根鞘腫瘍に出現する異常角化細胞の一形態であり,外毛根鞘腫瘍と診断する際の一つの形態的指標になると考えた.また,これは良性および悪性腫瘍のいずれにも出現することから,腫瘍の悪性化を示すものではないと思われた.
  • 早川 和人
    1988 年 98 巻 10 号 p. 1023-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    皮膚科における代表的な自己免疫疾患である天疱瘡6例,類天疱瘡10例,エリテマトーデス12例の患者病変部皮膚真皮の浸潤細胞のうち主としてリンパ球について,モノクローナル抗体を使用して酵素抗体間接法にて同定し,準定量的に分析した.いずれの疾患においても浸潤リンパ球は主にT細胞よりなり,その多くが活性化リンパ球と考えられたことより病変部において何らかの働きをしている可能性が推測された.T細胞サブセットでは,天疱瘡,類天疱瘡においては病型などにかかわらず,ヘルパー/インデューサーT細胞(以下H/IT細胞)かサプレッサー/サイトトキシックT細胞(以下S/CT細胞)に比し優位であった.エリテマトーデスにおいてはH/IT細胞かS/CT細胞に比し優位を示す例と同程度に浸潤を示す例がほぼ半数ずつを占めたが,病型による一定の傾向は認められなかった.
  • 荒瀬 誠治, 定本 靖司, 桑名 隆一郎, 渡部 泰守, 中西 秀樹, 重見 文雄, 武田 克之, 武田 英二
    1988 年 98 巻 10 号 p. 1029-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    紫外線照射により皮膚で合成されたり,または食物として摂取されたビタミンDは,肝臓と腎臓で水酸化を受け,ビタミンD作用(カルシウム代謝の調節など)を実際に発揮する1.25-dihydroxyvitaminD3(1.25(OH)2D3と略記)に変換される.1.25(OH)2D3は標的臓器細胞中の特異レセプターと結合し,DNAに働き,蛋白合成を介してホルモン効果を発揮する.この一連の機序のどこかに障害があるとカルシウム代謝異常症が出現する.1978年,Brooksらは,1.25(OH)2D3の合成,代謝は正常であるが,それに対する標的細胞内のレセプター異常の結果発症するクル病をビタミンD依存性クル病Ⅱ型(Vitamin D Dependent Reckets type II,以下DDR2と略記)として報告した.以後30例近く報告されているが,注目すべきことに大半の患者に脱毛がみられる.本邦でも6症例の報告を見るが,いずれも小児科,内科医により発表され,皮膚医にとってなじみの少ない疾患と思われる.しかし乳幼児,小児における脱毛の診察にあたっては,鑑別疾患の1つにあげねばなるまい.今回我々は脱毛を伴うDDR2の5症例を経験したので,主に脱毛についての考察を加えて報告する.
  • 上村 仁夫, 刀祢 毅, 西岡 清, 西山 茂夫
    1988 年 98 巻 10 号 p. 1039-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    Lichen myxedematosus 患者血清中に,in vivoでマウス皮膚に酸性ムコ多糖を沈着させる因子を検出した.当因子の活性は56℃,30分の熱処理,あるいは透析処理で阻害されず,ハイドロコルチゾン50μgの腹腔内同時投与で抑制された.また患者血清を患者病変部,および正常皮膚由来線維芽細胞の培養液に添加し,酸性ムコ多糖量の変化をみたところ,線維芽細胞の種類による差はなく,また対照正常人血清との間にも差はみられなかった.患者血清による線維芽細胞増殖は,正常人血清によるそれに比し約75%に抑制された.また患者血清中にはヒアルロニダーゼ活性阻害因子が証明された.以上からLM患者血清中にin vivoでのみ線維芽細胞に働く線維芽細胞刺激因子が存在し,当因子の作用により皮膚ムチン沈着症が発現する可能性が示唆された.またそれと同時に,血清中に共存するヒアルロニダーゼ活性阻害因子により皮膚酸性ムコ多糖分解抑制が起こり,ムチン沈着症が完成されるものと考えられた.
  • 鈴木 裕介, 衛藤 光, 増澤 幹男, 西山 茂夫
    1988 年 98 巻 10 号 p. 1045-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
    ヒト包皮由来微小血管内皮細胞(endothelial cell,EC)を大量に培養し,これを免疫原として,ヒト皮膚組織内で脈管性ECのみを認識する単クローン性抗体MEC-1を作製した.MEC-1の認識する抗原性が第Ⅷ因子関連抗原(factor Ⅷ-related antigen,FⅧ-RAg)と同一であるか別の抗原性であるかを検討するため,免疫原である培養細胞上微小血管ECに対して両抗体の蛍光抗体間接法を施行した.抗FⅧ-RAg抗体では,核周囲の細胞質に全周性に密に分布する顆粒状陽性像を示した.一方,MEC-1では顆粒状陽性像が核に隣接する一部の細胞質のみに偏在する形態をとり,両抗体のEC細胞質における陽性パターンが相異する可能性を示唆した.このため,ヒト皮膚組織上および培養細胞上で両抗体の阻止試験を施行したところ,抗FⅧ-RAg抗体とMEC-1とは互いの陽性像が阻止されず,MEC-1はFⅧ-RAgとは異なる抗原性を認識していると考えられた.次に各種脈管性皮膚腫瘍におけるMEC-1の染色態度を検討した.その結果,毛細血管拡張性肉芽腫における未熟なECの集塊状増殖部位では,強陽性の正常毛細血管に比べて明らかに陽性度が減弱し,悪性血管内皮細胞腫における腫瘍細胞の集塊状部位では陰性化した.毛細リンパ管におけるMEC-1の染色態度は,全く陰性のものから一部のEC管腔壁に沿って僅かに線状の弱陽性像を呈するものまでみられた.MEC-1は,FⅧ-RAgとは異なる脈管性ECの新しいマーカーとして有用性が高いと思われた.
  • 1988 年 98 巻 10 号 p. 1049-
    発行日: 1988年
    公開日: 2014/08/08
    ジャーナル 認証あり
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