日本皮膚科学会雑誌
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皮膚の肉芽腫性および組織球増殖性疾患におけるlysozyme陽性細胞とその電顕的形態との関連について
島田 耕司
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1989 年 99 巻 2 号 p. 101-

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抄録

皮膚の肉芽腫性および組織球増殖性疾患について電顕および抗ヒトlysozyme(LZ)抗体を用いた免疫組織学的所見で,それらの特徴を比較検討した.電顕的にelectron-lucent body(ELB)が豊富にみられる細胞を認めたサルコイドーシス,尋常性狼瘡,顔面播種状粟粒性狼瘡,刺青肉芽腫では,LZ陽性細胞が多かった.LZ陽性細胞が少ない光沢苔癬と結節性黄色腫では,電顕的にELBは観察されなかった.異物肉芽腫,環状肉芽腫,眼瞼黄色腫,扁平黄色腫,若年性黄色肉芽腫,腱鞘巨細胞腫,皮膚線維腫,悪性線維性組織球腫,隆起性皮膚線維肉腫,熱傷肉芽,肥厚性瘢痕,histiocytosis Xでは,LZ陽性細胞はなく,ELBも観察されなかった.以上から,LZがELBに局在する可能性を示唆した.

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© 1989 日本皮膚科学会
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