2011 年 32 巻 p. 81-87
一過性の身体活動は,心血管疾患の危険因子である食後中性脂肪濃度を下げ,この身体活動による食後中性脂肪濃度の上昇抑制効果は急性的である.しかし,身体活動量の違いが食後中性脂肪濃度に与える影響は明らかでない.そこで,本研究は活動的な高齢者と非活動的な高齢者の食後中性脂肪濃度を比較することを目的とした.本研究には,26名(年齢69.8±0.9歳,平均±標準誤差;女性16名,男性10名)の高齢者が参加した.加速度計のデータに基づき,参加者は活動群(中強度以上の身体活動を週150分以上;15名)と非活動群(中強度以上の身体活動を週150分未満;11名)に分類した.参加者は48時間の身体活動の禁止,および10時間の空腹の後,試験食として中脂肪食をとった.毛細血管血を空腹時,食後2時間後,食後4時間後,食後6時間後に採取した.体重,体格指数および腹囲の調整後の食後毛細血管中性脂肪濃度は,非活動群と比較し,活動群で低値を示した(P < 0.0005).本研究は,急性的な身体活動による影響とは区別した習慣的な身体活動による食後中性脂肪の低減効果を明らかにした.