デサントスポーツ科学
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Print ISSN : 0285-5739
研究論文
胸郭圧迫が運動時の呼吸・循環応答,筋酸素動態およびパフォーマンスに及ぼす影響
石田 浩司片山 敬章岩本 えりか堀田 典生杉浦 弘通
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2012 年 33 巻 p. 33-42

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抄録

胸部圧迫による胸郭制限が,持久的運動のパフォーマンスおよび生理学的機能にどのような影響を及ぼすか明らかにするため,9名の被検者に,ストラップで胸部を締める胸郭制限(CR)条件と非制限(NR)条件で,漸増負荷による最大運動テストを行った.さらに,CR条件での最高酸素摂取量の40, 60, 80%の運動強度で15分間の最大下の定常負荷運動テストも実施した.その結果,NR条件に比べCR条件では,1)最高酸素摂取量と運動継続時間は低下し,80%強度の定常負荷運動で3名の被検者が運動継続できなくなった,2)毎分換気量は80%より下の運動強度では高いがその最大値は低く,その影響で80%強度以上で動脈血酸素飽和度(SpO2)は低下する,3)一回換気量は低く,呼吸数は高い,4)筋の脱酸素化率は80%強度では差がないが,それ以外は低い傾向を示す,5)乳酸濃度は最高値は低いが,最大下および乳酸閾値や乳酸蓄積開始点(OBLA)は差がない,6)呼吸の疲労度(困難感)が高い,ことが明らかとなった.胸郭制限により持久的運動のパフォーマンスが低下し,それには呼吸系の機能低下が直接的に影響することが示唆された.

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