デサントスポーツ科学
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Print ISSN : 0285-5739
研究論文
片手・両手切り替え駆動型の競技用車椅子の開発と評価
塩野谷 明監物 勇介
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2012 年 33 巻 p. 93-103

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抄録

本研究は,片手・両手切り替え駆動(片手直進駆動)が可能な競技用車椅子の開発と評価を目的とした.開発した車椅子はダブルリング式の片手駆動車椅子の構造で,片側の駆動輪に2つのハンドリムを取り付け,外側のハンドリムにより反対側の駆動輪を回転させることが可能な構造とした.競技用車椅子のキャンバ角に対しては,駆動輪の回転をハンドリムへ伝達するためにユニバーサルジョイントを使用,左駆動輪側に取り付けられた右駆動輪用ハンドリムの回転を,車椅子の車軸内に取り付けたユニバーサルジョイントと回転伝達軸により,右駆動輪へと伝達する構造とした.キャンバ角は16゚とし,片手駆動と両手駆動の生体負担について,EMGより検討した結果,片手駆動は予想よりも負担が小さいことが確認された.競技用車椅子の特徴の1つである前出し量と駆動力の関係については,前出し量によって駆動力にばらつきがみられた.本研究中,駆動力伝達軸が2回の破断を経験したが,軸にかかるせん断応力が24MP以上であることが推測され,この数値が今後のシステム改良の基準値になるものと考える.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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