デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
運動容量と筋タンパク質代謝応答の関係性から見た 至適運動条件の探索
小笠原 理紀
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2018 年 39 巻 p. 145-151

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抄録

レジスタンス運動において,運動量は筋タンパク質合成(MPS)を増加させるための重要な変数であることが知られている.また,MPSの増加は主にmechanistic target of rapamycin complex 1 (mTORC1)シグナルの活性化を介していると考えられている.しかし,運動量を過剰に増加させたときのmTORC1の活性化やMPSの増加に関しては知られていない.本研究では,動物レジスタンス運動モデルを用いて運動量とmTORC1活性化,MPS増加の関係性について検討した.若齢Sprague-Dawley系雄ラットに対して電気刺激による最大等尺性収縮10回を1,3,5,10もしくは20セット実施し,6時間後に腓腹筋を採取した.mTORC1活性マーカーであるp70S6Kのリン酸化はセット数の増加とともに亢進したが,MPSの増加は5セットで頭打ちになり,10,20セット行ってもさらに増加することはなかった.以上から,運動量の増加に伴って,mTORC1シグナルとは無関係にMPSは頭打ちになると考えられる.

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© 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
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