本研究は正常足と扁平足の足部アライメントの違いがランニング中の足底腱膜張力に与える影響を検証することを目的とした.対象は健常成人男性の正常足13名,扁平足13名とした.正常足と扁平足の分類にはfoot posture indexを用いた.課題動作はランニングとし,ランニングスピードは自由速度とした.足底腱膜張力モデルを用いて反射マーカー位置と床反力から足底腱膜張力を算出した.結果として,ランニングスピードは正常足と扁平足間で有意な差を示さなかった (p = 0.63).さらに,ランニング中の足底腱膜張力のピーク値に関しても,正常足 (25.5±5.3N/kg) と扁平足 (27.1±5.9N/kg) 間で有意差を示さなかった (p = 0.40).本研究より,扁平足は足底腱膜張力が増加し,足底腱膜炎の危険因子であることが考えられているが,扁平足では足底腱膜張力の増加は認められないことが示された.