デサントスポーツ科学
Online ISSN : 2758-4429
Print ISSN : 0285-5739
研究論文
暑熱環境下の作業に用いる着心地に配慮した冷却フィールドウエアの開発
松岡 敏生大西 範和増田 智恵
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 43 巻 p. 43-54

詳細
抄録

我々は,農業ハウスでの利用を想定した冷却服の開発に取り組んでいる.本研究では,人工気候室内にWBGTが31℃の暑熱環境下を再現し,6名の被験者に4つの着衣条件で30分間の模擬的な農作業を行わせ,冷却服が衣服内気候や体温等の生体信号,作業負担などの主観評価に及ぼす影響を検討した.その結果,以下の結論を得た.(1)鼓膜温は,標準的な着衣,保冷剤を用いた冷却服では30分の作業で0 .2℃程度上昇したが,ファン付き作業服ではほとんど上昇がみられず,体温上昇を抑える傾向があることがわかった.(2)ファン付き作業服では,他の着衣よりも衣服内温度,衣服内湿度ともに低く抑えられることがわかった.

著者関連情報
© 2022 公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
前の記事 次の記事
feedback
Top