日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
生体腎移植後グラフト側に生じた鼠径ヘルニアの1例
秋本 修志尾上 隆司鈴木 崇久首藤 毅清水 洋祐田代 裕尊
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 84 巻 5 号 p. 831-835

詳細
抄録

腎移植後の鼠径ヘルニア根治術では,腹膜前腔を走行し膀胱と吻合している移植腎尿管の損傷リスクを避けるために腹膜前腔の剥離操作が加わらない方法が有用であるとされている.今回,われわれは生体腎移植後2年でグラフト側に鼠径ヘルニアを生じLichtenstein法にて修復を行った1例を経験した.症例は63歳,男性.2年前に末期腎不全にて生体腎移植術を施行.定期受診にて右鼠径ヘルニアを認め,Lichtenstein法にてポリプロピレンメッシュを挿入し修復した.術後4日目に経過良好にて退院.以後,外来フォロー中であるが腎機能悪化はなく,ヘルニアの再発もなく経過している.腎移植患者の4.9%にグラフト側の鼠径ヘルニアを発症したとの報告もあり,腎移植後の鼠径ヘルニア手術に関する報告は直近12年間で29例あり,これらの文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 2023 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top