デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
ゲームループ内の更新メソッドの保守性に関する調査
金森 公洋 森崎 修司山本 修一郎
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2020 年 13 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

ゲームソフトウェア開発の特徴としてテストプレイによるフィードバックを繰り返しながら開発することや実行時性能の 要求が高いことが報告されている.大規模化に伴い保守性の向上が求められるが,この特徴のために保守性が犠牲に なっている可能性がある.本論文ではゲームループ内の更新メソッドを対象として保守性を調査する.更新メソッドを対象 としたのは代表的な実装方法であり,保守性の差がでやすいと考えたためである.説明的順序デザインに従い,GitHub 上で注目度の高いリポジトリの更新メソッドの実装方法を調べ,その結果が商用ゲームソフトウェアにもあてはまるかどうか を商用ゲームの開発者を対象とした半構造化インタビューで調べる.調査の結果,状態変数と条件分岐による保守性が 低い実装方法を用いたリポジトリが 39 件,State デザインパターンによる保守性が高い実装方法を用いたリポジトリが 1 件 であった.この結果が商用ゲームソフトウェアにもあてはまるという回答が 11 人のうち 8 人から得られた.

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© 2020 日本デジタルゲーム学会
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